Essence of Europe
                  バルト2都
     -Tallinn(タリン)とRiga(リーガ)-案内


これは Essence of Europe(=EoE)ホームページ に連なるバルト地域(の一部)
案内ページです。
バルト地域を訪れたのは2012年晩夏です。時間の関係でバルト3国の全てを訪れ
るは難しくエストニアとラトヴィアだけとなりました。リトアニアをスキップした
のは3国の中で最も中東欧に近く、いわば馴染みがあると言うか『推測できる』と
の理由からです。
実際、日本の会社のドイツ支社勤務時代にリトアニアの企業と付き合いましたが
経済圏として隣国ポーランドを通じてドイツの圏内に近い印象が強く、その考えや
行動は"Central Europe"と共通していました。
一方でエストニアは北欧に近いと言われ、ラトヴィアはロシア、北欧、中東欧から
の影響が混ざる国と言われますが、私自身ドイツ滞在時にも訪問機会が無く、まだ
ベールに包まれた感も強く、一度行きたいと思っていた地域です。

こういう訳で2012年9月初め、夏休みをフランクフルトで過ごしていた筆者は
エストニアとラトヴィアを訪れました。そしてこれも主に時間と交通手段の制約で
各国の首都だけ、即ちTallinnとRigaだけの旅行になりました。
つまり本当はバルト3国としたかったのですがバルト2都になってしまいました。
そして本HPのコンセプトにしてきた『その地の名産品』の輸入販売にも行きつけず、
HPへの掲載には中途半端な状態で残りました。

こういう訳でこれまでEoEへは掲載していなかったのですが、2013年の旅でスペ
イン等を上梓します。このまま追い抜かれて色々な情報が埋まってしまうのも惜しい
ので不完全ながら皆様の旅行、滞在の一助になればと『バルト2都』の掲載に踏み
切りました。


以下の説明ではMymapで作成した Tallinn案内地図 および Riga案内地図 と一緒に
ご覧ください。

目次

【バルト2都概要】

【Tallinn(タリン)ー新しい北欧】

         1.Watching Point    2.街の情報

【Riga(リーガ)-伝統の美と秘めたパワーが混在する魅力】

         1.Watching Point    2.野外博物館    3.街の情報




Tallinn

トームペアの丘の上からTallinnの街を展望



Riga

歴史ある建築群と緑の街がウィーンを彷彿させるRiga


【バルト2都概要】

欧州に3年滞在して訪問したいと思いながら行けなかった地も多いのですが、バルト
地域もその一つです。バルト3国はいずれも小さな国ですが日本人には比較的よく
知られ馴染みもある方と言っていいでしょう。いや小国だからこそ親しみを覚え、
訪れる人も意外に多いと言った方がいいかもしれません。
第二次大戦中にリトアニアにて本国指令を無視しても人道支援を貫いた杉原千畝の
存在などを通じて相互の国民感情も大変良好に思えます。
土地面積や人口など物理面では決して大国では無い日本とバルト3国には、小国だ
からこそ豊かで繊細な人情や学問、芸術などの質では大国に負けぬという矜持が
共通して脈々と受け継がれているように思えます。

さてバルト3国とまとめられますが、勿論同じ地域にあるので環境や課題などに共
通点も多く、意識や行動も3国まとまった動きが軸になっています。
しかし、同時に各国による微妙な違いも確かに存在します。
一般には北欧に取り込まれ、或いは北欧圏に積極参加しているエストニア、中東欧圏
に加わって経済発展を図るリトアニア、3国の真ん中にあって独自の位置を探る
ラトヴィアのように描写されます。
実際に2都を訪れてみると確かに共通の雰囲気とそれぞれの街独自の雰囲気の双方
が感じられました。

ところでフランクフルトに夏季滞在していた筆者がバルト3国を訪れる契機がもう一
つあって、それは Ryan Air です。この世界の格安航空の草分けであり、欧州の
『マイナー地域、都市』の発掘役とも言える航空会社については 東南イタリアの項
で述べましたのでご参照ください。
結論を言えばこのライアン航空の行き先が中々渋くて注目にも値します。活況では
あるがマイナーでもある欧州各地に実際に空港とフライトを供給して活性化してきた
役割は格安航空の言葉では収まらない価値ある事業だと筆者は評価しています。

このRyan Airの行き先の一つにRigaが入っていたと言うのが今回の旅を促したもう
一つの契機だったのです。東南イタリアでもあまり知られざるPescaraの街を訪れた
ようにRigaにも行ってみようと!
ところがそうトントン拍子には運びません。何とライアン航空に申込んでみると既
に満員。そう、ここドイツからもバルトは旅先として既に大人気地だったのです。
仕方無いのでもう一つのフライト『バルト航空』に申し込むことにしました。この
航空会社はラトヴィアの会社で(他の2国も出資しているようですが)Rigaをハブ
空港として欧州の便を運航しているようです。愛称としてBravo Flyと銘打って
活躍しています。

実際には日本からこのルートでバルト地域へ入られる方は少ないようですが、欧州
玄関のフランクフルトからこのルートで行かれるのは悪く無い選択だと思います。
しかし日本からの旅行で典型的なのはどうもヘルシンキからフェリーで対岸である
エストニアのTallinnに渡るルートのようです。確かにワンワールドの拠点でもあり
欧州の東の玄関口とも言えるヘルシンキをうまく使って旅の行き帰りにバルト地域
を楽しむのは賢い方法かもしれません。

ところで今回感じた事の一つが実は『バルト3国間の行き来が意外と不便』と言う
ことです。少なくともTallinn-Riga間は距離は大したことは無い(400Km程度?)の
ですが鉄道は実際上は無いに等しいし、バスも長時間を要するようです。自動車を
使うには言葉を含めた各種インフラとか保険もやや心配です。
もっと早いバス便があったり、インフラ含め開発中かもしれませんが、バルト3国
の発展のためには首都間の新幹線を通す、そういう技術に日本が協力するのが
新しい友好関係にも良いのではないかと旅をしながら夢想しました。

そう言えばこの3国はEU(欧州連合)には加盟しているがユーロには2010年迄
は参加していなかったのです。2011年にエストニアがユーロ参加、そして実は
ごく最近ラトビアがユーロ導入の方向で話がまとまりつつあるとの報道がありました。
リトアニアも1年遅れで参加の方向へ動いています。エストニアとラトビアは国民
意見としては決してユーロ参加条件の緊縮財政に賛成では無いようです。では何故
ユーロかと言うとバルト3国が抱える共通の『ロシア問題』に関連しています。
長年隣国ロシアの支配を受けた歴史をベルリンの壁で打ち壊してロシアから独立し
たバルト3国ですが、中に残ったロシア人の高い比率問題が喉にささった魚の骨の
如くちくちくと不快なロシア問題圧力を受けています。ユーロ導入で欧州側への
ウェイトを増すことでその対抗軸を築いておこうとの思惑もあるようです。
ユーロに関する欧州圏やロシア圏との綱引きの中でのこういう動きはやや政治臭
が強い感じもしますが、実現すると(2014年始からとなっていますが)旅行者
にとっては便利になるでしょう。

【Tallinnー新しい北欧】                            地図を見る

9月初め、エストニアの首都Tallinnはまだ多くの観光客で賑わっていました。
エストニアは既に2011年からユーロを導入しており、又フィンランドの首都ヘルシ
ンキからフェリーで渡れるため欧米観光客に人気のようです。日本人の旅行者も多
く見かけました。
街の中心いわゆるOld Townは小さくまとまっていますので手頃に中世を感じさせ
る通りや史跡を探訪できます。歴史的な街ですが雰囲気は結構若い活気に満ちてい
ます。これは一般に言われているようにこの国が小国としてうまく自由競争を取り
入れ、アジアにおけるシンガポールのような位置付けを北欧にて獲得しつつある証
左に思えます。
そうです、エストニアは国の向かう方向を『新しい北欧』と位置付けて明確な目標
の下に動き出した雰囲気がひしひしと感じられる国です。観光が一つの中心でしょ
うが、ビジネスの世界などでも小国ハブとしての機能を発揮するポテンシャルを感
じさせます。
ではその街の造りを見所を中心にざっと巡る形でWatcing Pointと題した街歩き
を次項でお楽しみください。その後に旅行と滞在に有用な情報を 2.街の情報 として
まとめましたのでご活用ください。


1.Watching Point                                                                         地図を見る

Watching Point、街の注目点ですね。何と言っても最初に掲げた 展望写真の景色を
見渡せるToompea(トームペア)の丘が代表的な注目点です。
この丘には独立戦争記念碑もあるVabaduse(ワバドゥセ)広場からゆっくり坂を
上がりながら進みます。
途中先ず日本大使館やKiek in de Kok(キ―ク・イン・デ・キョク)と呼ばれる
歴史ある搭(現在は博物館など)のある緑多い通りを緩やかに上ります。
更に上ると国の機関や議会として使用されているトームペア城とその向かいにロシ
ア支配の名残を止めるロシア正教のアレクサンドル・ネフスキー聖堂、そして大聖堂
Toomkirk(トームキリク)などがあります。大使館や議会の城は外部から
しか見れませんが、他の建物は予約する必要がある所には要注意ですが内部の閲覧
も可能です。

Kiek idK

博物館として使用されている搭キ―ク・イン・デ・キョク



Tompea城

国家機関や議会として使われているトームペア城



Tompeaロ聖堂

トームペア城向かい、ロシア正教アレクサンドル・ネフスキー聖堂



Tompea大聖堂

トームペアの丘を上ってすぐにある大聖堂



大聖堂から少し北に歩きますと展望台に着き、有名な 展望写真 の景色を堪能できます。

次の注目点は旧市庁舎とその前のRaekoja(ラエコヤ)広場です。この広場は街
の中心と言って良いでしょう。広場を囲んでカフェやレストランが賑やかに店を開
いています。広場の周りの通りにはレストランやお土産、雑貨のお店も多くあり、
この街の雰囲気を楽しめる区域です。
先の展望台からこの広場迄は急な階段を下りてNunne(ヌンネ)通りを少し歩けば着き
ます。意外と近く、筆者の参加した学生さんガイドによるツアーが将にこの展望台
を順に上がり、階段を下りてラエコヤ広場に出て解散の コースでした。これで街
の半分位を見て回った感じになります。

展望下

Nunne通りから見上げたToompeaの丘の展望台



Tompea大聖堂

旧市庁舎とRaekoja(ラエコヤ)広場



さて街の残りの注目点はやはりラエコヤ広場からすぐ南に出たHarju(ハルユ)通り
の緑地奥にある聖ニコラス教会、同広場から東へ続くViru(ヴィル)通りからヴィル
門へと抜ける旧市街メインストリート、そして同広場から北へ向かうPikk(ピック)
通りに沿って聳える聖オレフ教会と街を囲む城壁の門と守りの砲塔でしょうか。
聖ニコラス教会は残念ながら丁度工事中でしたが、13世紀以来の歴史を刻む展示
もあり、開いていれば一見の価値ある建物です。
ヴィル通りからヴィル門へと続く道は旧市街メインストリートだけに雰囲気もあり、
買物も楽しめます。

ピック通り沿いの聖オレフ教会はこれも13世紀以降の歴史があるが、とにかく高
さがある搭を備えそこからの展望も楽しめる場所でもあります。そしてピック通り
の端迄歩けば中世の街を想起させるスールランナ門とそれに連なる町の防御用砲塔
である『ふとっちょマルガレ―タ』があります。この砲塔自体ふとっちょと呼ばれ
るだけに古びた壁が迫力ある建物ですが、中は中で海洋博物館になっており、海洋
国だけに中々充実した展示となっています。
勿論この他に博物館やも見所のWatching Pointもありますので先に挙げた
Tallinn案内サイト などをご参照ください。

聖ニコラス

Harju(ハルユ)通りから見た聖ニコラス教会



Viru

Viru門から覗いた旧市街メインストリートViru通り



聖オレフ

迫力ある高さの搭が聳える聖オレフ教会



マルガリータ

ふとっちょマルガリータ搭とスール・ランナ門



さて最後にあまり紹介されていない穴場的なWatching Pointをご紹介します。
これは上で紹介しましたスール・ランナ門を出て海側の話になります。門の外は車
が行き交う幹線道路に囲まれていますが、これを越えてやや右へ向かうとタリン港、
まっすぐから左へ向かうと市民ホール港となります。
特にヘルシンキからの高速艇が着く市民ホール港ですが、市民ホールの屋上が高さ
もあり展望台のように広がっています。それも海のすぐ傍なのでToompea(トームペア)
の展望台とは又一味違う、海に向かって広がる開放的な気分が味わえます。
ベンチ等が用意されている訳ではなくだだっ広い空間ですがそれだけに人もまばら
で、景色を楽しみながらゆっくり散歩したり語り合うのに格好の場所です。
この市民ホールを更に少し左に進むと静かな入り江もあります。この入り江に面し
ては後でご紹介するロシアレストランkohvik Moonもあり、雰囲気ある水辺を楽しむ
事ができます。


市民ホール

整備されていないが海の広い眺めが良い市民ホール屋上





水辺

雰囲気のある静かな入り江




2.街の情報                                                                         地図を見る

冒頭にTallinn或いはエストニアは活気ある新しい北欧と紹介しましたが、
観光案内そのものがこういう自由で活発な活動そのものでしょう。殆どの観光情報
が次の Tallinn案内サイト でそれも日本語でも説明されているのです。
このHPでタリンを観る⇒各種観光ツアーで開いて行くと実に様々なイベントやツアー
がひしめき合っています。この活力は中々のもので、私は学生さんが案内役を務め
る無料ツアー(ツアー終了後に任意でチップを払う)に参加しました。
1回1時間程かけて街の旧跡などを巡ります。大変元気の良い女子学生が声を張り
上げ、ユーモアやツアー客への質問を交えて飽きさせずに上手に先導してくれました。
ツアー客15人程ですが8カ国から成り、欧米の他ニュージーランドなどの方もい
ました。色々なツアーが計画されていますからこれらをうまく利用されると良いで
しょう。
上記の他にエストニア国の観光局の Estonia案内サイト もあります。
これはTallinnに関わらずエストニア全体の基本情報などを用意しています。

又.euとなっているのでeuのものでしょうか?次のような 案内サイト もあります。
これらのサイトと一般の案内本でかなりの情報が尽くされていますが、筆者が実際
歩いて得た情報を街歩きについては上記 1.Watching Point で紹介しました。
更にこの街のカフェ・レストランについては Tallinn Restaurant にて、
又ショップについては Tallinn Shop の順で紹介しておきます。
どうぞそれぞれのリンク先に飛んでじっくりとお読みください。



【Riga(リーガ)-伝統の美と秘めたパワーが混在する魅力】


                                                                                          地図を見る

Rigaは大都市ですが現代の大都市と比べるとまだ高層建築が少なく、交通イン
フラもバスとトラムが主なものなのでのんびりさが残っています。そしてその中に
点在する堂々とした建築や古い教会、美しい緑地が街に風格を与えているように感
じられます。
このような街の雰囲気を形作っているのはやはりハンザ同盟都市としての繁栄と誇
りの時代、そして特に近代ロシアとドイツによる占領に翻弄された歴史が為せるも
のだろうかと思いを馳せてしまいます。
しかしベルリンの壁崩壊で独立を手にして20年、いよいよ近々のユーロ導入にも
踏み切り、その潜在パワーを発揮すべく動き出した街は今後の大きな成長を予感さ
せる静かな活気を秘めていました。
伝統の美と秘めたパワーが混在する魅力ーこれが街を体験した筆者の感想です。

街歩きの時の有名所がWatching Pointです。どんな観光案内にも掲載はされて
いると思いますが筆者の目からざっと見ておきます。
このうち面白そうとバスで出かけた郊外のラトヴィア民族野外博物館は別項目とし
2.ラトヴィア民族野外博物館 の中でやや詳しく案内しました。
そして一般の観光案内サイトや街の交通情報、恒例の レストラン および ショップ
案内を含めて 3.街の情報 の項にまとめました。
それでは以下のRigaの街案内をお楽しみください。


1.Watching Point                                                                         地図を見る

Rigaの街はダウガヴァ川に沿った旧市街、旧市街からピルセータス運河の緑地の
向こうに広がる新市街、新市街の更に周りとダウガヴァ川の旧市街対岸、空港寄り
の地区に広がる郊外地域などに大別できます。
旧市街を南北に挟むのは上記のダウガヴァ川とピルセータス運河ですが、南は鉄道
駅やバスターミナルに沿ったJanvara通り、北は街を東西に突き抜け、バス
も多く走るValdemara通りにより区切られています。

多くの歴史ある街と同じく一般の観光名所は主な物は旧市街に集中していますが、
Janvara通りを南に越えるとすぐに Central Market(中央市場)
があり、更に南には例えば有名な LIDO のレクリエーション付きレストランが展開
されたりしています。
又、Valdemara通りのすぐ北側にはユーゲントシュティール建築群で有名なAlberta
通り等があります(因みにユーゲントシュティールはドイツ語であり、同じ意味の
フランス語アールヌーヴォーの方がわかりやすいかもしれません)。
これらは容易に旧市街から到達できますので訪問をお薦めします。
旧市街の中心の広場の一つが市庁舎前広場で、中心となるInformation Centerも
ここにあります。この広場に面しては市庁舎は勿論、嘗ての貿易商の集会所でユニ
ークな建築アーキテクチャで有名なブラックヘッドの会館もあります。
この広場はダウガヴァ川にも非常に近いので、川べりに出て川向こうに広がる郊外
の景色を楽しむのも良いでしょう。
この市庁舎前広場からは高い塔が見渡せる程度の近くに聖ペテロ教会が、そして少
し北に行けばこれも13世紀からの建立、改築の長い歴史を持つ大聖堂とその前の
広場があります。筆者の訪問時には丁度補修工事の最中で残念な思いでしたが通常
は賑わう建物と広場の代表的なものの一つです。
大聖堂の東側に少し行くと、猫の家伝説で有名な家などがあるもう一つの中心広場
Livu(リーヴ)広場などがあります。
狭い範囲に固まるこれらの観光名所にはそれぞれ見学コースと物語の解説が付いて
いますからじっくり鑑賞するのも良いでしょう。リーヴ広場、大聖堂、聖ペテロ教会
の区域の真ん中にはLIDOの運営する人気の ビアハウス もあり、リラックス
した休憩を取ることもできます。

市庁舎前

ブラックヘッドの会館に面し、聖ペテロ教会の塔も望める市庁舎前広場


大聖堂

工事中であったが通常は観光客で賑わう大聖堂と広場


リーヴ広場

Meistaru通りとKalku通りに面するリーヴ広場



さて旧市街のもう一つのWatching Pointは北西の端、ダウガヴァ川とValdemara
通りに面してあるRiga城からTorna通りを東南に歩いて行くコースです。
Riga城は14世紀に建てられ、時の支配者リヴォニア騎士団が住んで以来、ポー
ランド。スエーデン、ロシアと続く歴代の支配者の居城となりました。
ここを少しTorna通り沿いに歩くとスエーデン門に到達します。この門は中世の
雰囲気をよく残しており、スエーデン兵宿舎の前なので命名されたようです。
しかし、Rigaの娘が禁を犯すしてスエーデン兵と密会したため塗りこめられたとの
伝説もあります。これが純愛の象徴だからでしょうか、丁度筆者が訪れた時、この
門を記念として実際の結婚式が行われていました。
更にTorna通りを行くと火薬塔に達します。この塔も中世の活躍時代の面影を残す
迫力ある建物ですが近代では使われず、ちょっと寂しい所にぽつんと立っている感
もあります。中は軍事博物館として使われています。

Riga城

広場Pils laukumsから見た歴代支配者の居城Riga城



Sweden門

中世の城の守りの雰囲気を伝えるスエーデン門



結婚式

純愛伝説を慕って?スエーデン門にて結婚式を挙行するカップル



さて旧市街と新市街の境界にはピルセータス運河を含む緑地が広がります。
そしてこの緑地沿いにRigaの芸術、文化、宗教を支えてきた劇場や美術館などが
雰囲気のある建物と共に佇んでおり、芸術美術に関心のある方には絶好の区域とも
言えるでしょう。
最初に最も北のValdemara通り沿いにあるのが国立劇場です。ここは後述する国立
歌劇場(オペラ座)と間違いやすいのですがラトヴィア語による演劇をやっている
ようです。一次大戦後最初のロシアからの独立宣言もこの劇場で行われたとの事。
建物もユニークで魅力的な演劇拠点。サイトは 国立劇場 があるのですがこれが
どうもラトヴィア語とロシア語に限定されているようでプログラム内容に行きつく
のが厄介そうではあります。
次にValdemara通りを運河を越えて更に川と逆方向へ進むと右側の緑地の中に薄い
ピンクの落ち着いた建物が見えますがこれが国立美術館になります。
こちらは 国立美術館のサイト があって、英語でも表示されるので展示内容やイベン
トを事前にチェック可能です。
この緑地を南に進むとthe nativity of christ orthodox cathedral rigaが
あります。これは19世紀のロシアの占領時に建てられたロシア正教系の聖堂です。
19世紀から20世紀にかけて支配権を競ったロシアとドイツの複雑な政争と共に
この教会の帰属や役割も振られ続けます。しかし、その建築のユニークなデザイン
は変わる事無く存在感を示しています。
この聖堂の前がメインストリートのBrivibas通りですが、運河緑地の方に少し戻
れば自由記念碑が立っています・1回目の独立を記念して1935年に建てられま
した。第二次大戦後再度ソ連による占領時代も耐えて生き延びた碑です。
この記念碑の更に南(駅側)の運河緑地に国立オペラ劇場があります。
リトヴィアではオペラは活発で安く上演されているので、好きな方は体験されると
良いでしょう。英語もある サイト に演目やチケット購入など各種商法があります。

国立劇場

ラトヴィア語の劇場として国の文化を支える国立劇場


美術館

ラトヴィアの美術の歴史を一覧できる国立美術館


救世主大聖堂

ロシア正教の聖堂the nativity of christ orthodox cathedral


自由記念碑

運河緑地にある自由記念碑からBrivibas大通りが新市街へと続く


オペラ座

国民的娯楽で人気が高いオペラの殿堂国立オペラ座



2.ラトヴィア民族野外博物館                                                       地図を見る

この博物館はラトヴィアの民族、生活の歴史を実際に見て、体験するのに大変良い
場所であり、同時に湖のほとりにのびのびと広がる自然の中にありますので歩いて
見て回るとリラックスしたラトヴィア田舎雰囲気が体験できてとても良い場所です。
但し、かなり郊外にありますから都心からバスで30分揺られなければなりません。
筆者はバスから見る街や郊外の風景、そして乗り降りする人々の生活感溢れる所作
を楽しみながら行きましたのでバス往復も含めて満足できる小旅行でした。
半日程度の時間があるのでしたら是非お薦めしたいと思い、紹介します。

さてバスですが野外博物館の最寄停留所はBrivdabas Muzejsであり都心から
この停留所に到達できるバスはA1番と言う1系統だけです。これに約30分乗れば
着きますから単純なのですが油断してはいけません。このA1系統バスはMerkela
通りの停留所から乗るのが通常ですがMerkela通り停留所はこの通り沿いに何か所
かある事を頭に入れて下さい。3〜4か所あって、それぞれ停車するバスの系統が
違います、バス停に書いてある系統番号を確認して正しいバス停で待つ必要があり
ます。筆者の時は鉄道駅に最も近いバス停でしたがこれはあくまで参考です。
トラムも来ますのでこの停留所との混同も避けねばなりません。
A1バスはMerkela通り停留所の後、、Merkela通りを北進してBrivibas通りへと
右折しますが、この右折一つ手前にも停留所があり、これはBrivibas ielaで
勿論ここから乗る事もできますがやはり多くのバスが通りますから注意は必要です。
Brivibas通りへと曲がった後はGertrudes,Matisa・・・と新市街を抜けて郊外の
Brivdabas Muzejs停留所迄一直線です。

Brivdabas Muzejs停留所で下りるとすぐに案内看板がありますからこれに沿って
少し歩きますと入り口のゲートに着きます。入り口で入場券(2Ls程度)を払って
チケットを購入し、入場しますがこの時に園内の地図と建造物の概略説明が渡され
ます。この地図案内含め多くの情報が サイト にありますので見ておかれると良いで
しょう。

バス停

Brivdabas Muzejsバス停を下りると矢印看板がすぐある


入り口

ラトヴィア民族野外博物館入り口ゲート


管理棟

入ってすぐ左の大きな建物に土産物売り場、レストラン等がある



一番奥の小高い丘にオランダの風車が展示されています。入り口とこの風車を結ぶ
線が中央と言う感じになりますが、入り口から風車に向かって右側に湖が広がって
います。入り口から中央線付近に沿ってとその湖側にKURZEME地域、やや奥に入った
中央線付近からその湖側にはVIDZEME地域、湖側で奥の方に行くとLATGALE地域、
そして中央から湖と反対側にはZEMGALE地域と言うようにラトヴィアを構成する4つ
の地域ごとに分けて、そこから人家や教会などの建造物を移設し展示しています。


風車

最も奥に位置するオランダ風車(19C)


VIDZEMEはRigaを含む地域であり、KURZEMEはその南西に広がるやはり海にも
面した地域です。従ってこの2地域は中央線付近に農村関係を、湖側には漁師の家
など海の関係を集めています。印象としてはやはりVIDZEME地域は風車による動力
の活用など産業関係の進取の気性が感じられ、KURZEMEは海や山の自然に向けて
展開する野性的な魅力を感じます。

KURZEME1

KURZEMEの漁師の家7(19C)外見



KURZEME2

KURZEMEの漁師の家7(19C)内部



H.Warehouse

KURZEMEの36.Harbor Warehouse(漁協のようなもの?)



VIDZEME1

VIDZEMEの農家51(19C)では物産も販売



VIDZEME2

VIDZEMEの織物家61(19C)外見



VIDZEME3

VIDZEMEの織物家61(19C)の中では実演販売あり


一方ZEMGALEとLATGALEの2地域は海の無い地域です。ZEMGALEはここで見る限り
長閑な農村と言うイメージですし、一方のLATGALEは樵の家などがあって山のイメージ、
そしてロシアと国境を接しているだけに長い歴史でのロシアの影響が感じられます。



2階建

LATGALEの珍しい2階建78(18C)



カトリック教会1

LATGALEのカトリック教会79(19C)には立派な門もある



カトリック教会2

LATGALEカトリック教会内部79(19C)では装飾品も展示



正教会

LATGALEの正教会(20C)はロシアの影響か独特のアーキテクチャ、



ルター

ZEMGALEのルター教会110(16C)はロシアでなくドイツを感じさせる


120を超える展示の家があって漠然と見回ると疲れるので以上のような設定され
たテーマに沿って興味が湧きそうな場所を先ず決めてそれを順次巡るような歩き方
が面白いかと思います。勿論実際に見て行く中で面白そうな家に立ち寄ったり、方々
で実際に素朴な現地産物の販売などもしていますのでこれに寄ってお土産を仕入れ
たりと楽しさアップも計れます。湖側に行く場合は少し足を延ばして湖岸見学も計
画に入れると良いでしょう。

入り口すぐ左の大きな建物にお土産売店や食堂もあります。雰囲気のあるここのレ
ストランで休憩するのも一案ですが、天気の良い日は街でサンドイッチや飲物を仕
入れておいて湖岸や自然に富む屋内のベンチでピクニック気分を味わうのもすばら
しいと思います。

土産

入り口すぐ左の大きな棟にある土産物売り場


街とは違うラトヴィアの自然と生活の歴史と文化を感じ取れる、そして自然の中で
のびのびと散歩や思考を楽しめるこの旅先は筆者のお薦めです。


3.街の情報                                                                         地図を見る
Rigaの町の情報をまとめました。
先ずラトヴィア政府観光局の案内は日本語もあります。 案内サイト をクリックして
みてください。このサイトの特徴は当然ながらラトヴィア全土なのでRigaだけに
止まらず全国の情報を掲載しています。民族野外博物館の中で 触れた4地域
各々についての説明もあります。只、最初は英語のサイトがあるのですが奥へ
進むと英語が無くなって・・・使い方が悪いのかもしれません。
次にラトヴィア観光開発協会が作っているサイト Live Riga もあります。これは名前
どおりRigaの観光開発が目的の組織ですが、設立にはRiga市の他、Baltic Airline、
ホテルレストラン協会なども出資しており、そのせいかWORK Rigaなどの項目も
あって、ここでは投資を呼び掛けたりしています。一応ビジネスマインドは十分で
ホテルレストラン協会が入っているだけにサイトからStay Rigaでホテルを探して
予約したり、Feel Rigaではレストランやイベントが紹介されています。

さてRigaはかなりの大都会ですが先頭に述べたように交通は地下鉄などは無く
バスとトラムに頼っています。これが実はかなり複雑です。これをマスターして
うまく動けると方々に効率良く行ける訳で、その秘訣は2つあります。
その1はRIGA TRANSITと言う冊子がありますのでこれをInformationや
ホテル等で早く入手することです。この冊子は複雑なRigaの交通網をかなりわかり
易く色付けグラフィック化してあります。見慣れるのにちょっと時間がかかるかも
しれませんが、慣れると中々便利な冊子です。
その2はWEBです。 Riga交通案内サイト があるのですがこのサイトはかなり
良くできたサイトでバス、トラム、トロリーバスの煩雑な交通網を補える優れモノ
と評価しています。
とにかく開いてみて下さい。STOP Schedule,Route Planner,Vehicle Schedulesと
3種のアプローチができます。そしてこれに入力するための停留所を示した地図が
これ又優れモノです。この地図には全停留所のみならずカフェやレストランなどに
加えトイレなんかも書いてあって交通のみならず色々役立ちます!

筆者のMymapもこれらに負けてしまいそうですが、一応(平均的?)日本人から見た
勝手な感想なりを記していますので参考にしてください。
いつものように レストランの紹介ショップの紹介 を別項にて行っていますので
Rigaの地図 と共にご覧ください。






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