Essence of Europe
Haro案内
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筆者のHaro滞在は僅か2日程で十分とは言えませんが、自分の足で歩いた街の
地図を Haro地図 に搭載しました。この地図から連動して辿れますが、カフェを
含むレストラン情報は Haroレストラン で紹介しています。そしてショッピング関連
の情報を Haroショップ に掲載しました。

ワインの首都Haro(ア-ロ)

Haroが『ワインの首都』と言うキャッチフレーズは最初どこで聞いたか忘れました
が、ワイナリ巡りをする筆者には深く印象に残りました。そしてログロ-二ョのイ
ンフォーメーションで魅力あるパンフの幾つかを見てスペインワイナリ巡りの最後
の宿泊地を急遽ビルバオからここHaro(ア-ロ)に変更したのです。

宿泊したのはホテル Los Agustinos ですが、実際この街には設備が国際標準の
ものは市内繁華街の2軒で、もう一つのホテル Arrope もすぐ傍に位置します。
郊外やホステル風のものも幾つかあるようですが、便利さとサービスではこの
2軒のいずれかをお薦めします。コストパフォーマンスは悪くありません。


宿泊したホテルLos Agustinos



Los Agustinosの建物自体は14世紀に建てられ、軍、病院、学校、監獄などで
使われてきた由緒ある建物とのことですが、その伝統的で落ち着いた建築と内部に
広がる大きな吹き抜け(と言うより中庭)が独特の景観と雰囲気を産んでいます。
但しやや古いので空調は旧式と言うか冬はお湯、夏は水を各部屋のパイプに通して
冷暖房します。これ自体は大変良いのですが、筆者が泊ったのが何と5月31日の
夜です。夕方部屋がやや暑いので空調を切って涼しくしようとしても少し暖気が流
れ込んでくるようなのでホテルのエンジニアを呼びました。それで冷暖房の仕組み
が上記のようである事を説明してくれて、切ってもどうしてもパイプを伝って中の
お湯で少し温まってしまうとの説明でした。そして『実は明日6月1日からパイプ
を通るのがお湯でなく水になるのだが・・・すみませんが今日だけは窓を開けて外
気を入れるなりしてください』と残念そうでした。、

Haroは19世紀後半に驚異的な発展を遂げました。これは訪問記でも述べたよ
うにボルドーでの葡萄病蔓延のために流れて来たフランスのワイン醸造者がこの地
を拠点にしたためです。そして元々土壌や気候でポテンシャルの高かったリオハの
この地のワインの繁栄をもたらしました。
他にも当時の物流が鉄道をメインにしており、大消費地ビルバオと鉄道で結ばれ、
かつ鉄道駅に隣接した地区-Barrio de la Estacin(バリオ・デ・ラ・エスタシオン)-
に優秀なワイナリの集積が可能であった環境も貢献しています。
このバリオ・デ・ラ・エスタシオンは今日でも機能しています。街から小さな川を
渡って15分程、駅前にどっしり構える世界ブランドのワイナリ群は静かな迫力に
満ちており、稼働しているワイナリからの音はこれが自然の収穫とは言え、それを
化学処理する巨大産業である実感を与えてくれます。
エスタシオン地区を見るのは勿論フリーで見回ることは可能ですが、どこかのワイ
ナリに見学予約を入れると内部や歴史を含め更に効果的に見学できます。
こういうコースを設けているワイナリは幾つかありますが代表的な物は
Bodegas Lopez de Heredia Vina TondoniaBodegas Muga等になります。



伝説の地バリオ・デ・ラ・エスタシオン(まだ左に広がる)



エスタシオン地区で今も密集する優秀ワイナリは勿論19世紀、栄華の頂点を極め
たこの地の証明ですが、これ以外にもその輝かしい歴史を記録するものが幾つもあ
ります。例えば19世紀後半は電化がスタートした時代ですが1890年までに電気が
ひかれたスペイン最初の街の一つとなりました。そしてア―ロは市になる事が認可
され、州都以外では珍しくバンコ・デ・エスパーニャが支店を開設しました。この
美しい建物は今でも街の見所の一つとして存在感を示しています。
この建物は何と宿泊ホテルLos Agustinosのすぐ傍に位置しています。
これらはこの街の実際の物流、商流が如何に巨大なものだったかを示しています。


スペイン銀行ア-ロ支店(Wikipediaより)




Plaza de La Paz周辺と教会

Plaza de La Pazは街の中心広場であり、インフォーメーションがあります。
ここで情報を取得されるのがお薦めですし、エスタシオン地区見学などの手配もで
きるかもしれません(各ワイナリへの予約が確実です)。他にミュージアムなどの
共通観覧券などを売っています。そのミュージアムのメインのものMuseo DEL TORREN
自体がこの広場に面し、インフォーメーションの横にあります。
又、市庁舎もありますのでとにかく最も中心の広場です。


街の中心Plaza de La Paz(平和の広場)



Paz(平和の)広場に面してあるインフォーメーション



Paz(平和の)広場に面してある市庁舎



この中心広場から登り道を1本、Santo Tomas通りですが、これを上がった所に街の
シンボルでもあるSanto Tomas教会があります。この教会は16世紀の建築ですが
切石を用いた凝った作りです。教会前広場からティムパヌムを眺められますがこれ
はVigarny(1475-1543)の手による作品です。そして特徴的なバロックの塔は
1671年Juan de Raon(ファン・デ・ラオン)によって建てられました。


Santo Tomas通りの上に教会があります



Vigarny作品を配した芸術的なティムパヌム



この教会を見た後はすぐ裏に出ましょう。ここは大変眺望が良い地点で周囲の自然
やエスタシオン地区などを見渡せます。



教会裏から辺りを眺望できる




Waching Point(その他の見所)

さて街の他の見所としてミュージアムとPalacioがあります。そして街を歩いて
いると彫刻、彫像が至る所にある事に驚かされます。これらを紹介しましょう。

先ず、ミュージアムですがこれは上記に触れたとおりPaz広場に面して、インフォ
ーメーションの並びにあります。筆者が訪れた時は丁度Enrique Paternina Garcia-Cid
と言うスペインの地元画家(1866-1910、ログロ-二ョ、ア-ロ出身)の特別展示を
やっていました。こうした地元芸術家の掘り起こしなどをやっているのでしょう。
中々興味ある展示ですがやはりスペイン語だけの解説だったので理解できず、残念
です。


ミュージアムMuseo DEL TORREN入り口


一方、この街にはPalacioと呼ばれる建物が数多くあります。これは大体が16世紀
から18世紀にかけて建てられたお金持ちの豪華な家と言うことらしいのですが、
芸術要素を備えた見事なものが多いのが特徴で、この街では昔からこういう建築に
熱心であった結果です。
Palacioの一つ、広場のインフォーメーションの建物すぐ裏に入り口があるPalacio
de BENDANAは内部に収集画などの展示があrますのでミュージアムに非常に近い
ものになっています。


Palacio de BENDANA入り口も立派




Palacio de BENDANA内部展示



他にも街の方々に散在しますが、例えばPalacio de Los CONDES de HAROは
その見事な建物と歴史を解説する記事が横に立っています。これもスペイン語
のみで残念な思いをしますが、本ガイド最後にスペイン語のみの問題を解決する
サイトもご紹介します。


Palacio de Los CONDES、こういうのが数多くある




Palacio de Los CONDESのスペイン語説明



ミュージアムでもPalacioでも無い、この街でこその見所がもう一つあります。それは
Estacion ENOLOGICAです。
これぞワインの首都を支えるポイントの一つなのですが、ワインに関する地域研究
機関であり、リオハのワイン造りへの新しい挑戦のため、或いは品質の維持向上の
ために実用研究を行っている機関です。
この隣の建物にはワインの科学や文化・歴史を展示してガイドツアーも行っている
展示場があります。ここにはミュージアムと共通の入場券を買っておけば入れます。
この地ならではの見所です。


Estacion ENOLOGICA(Wikipediaより)


さてここ迄にも少し登場してますが、この街を歩くと他には無い大きな特徴に気付
きます。そう、彫刻です。歴史の、栄華の、産業の中心を成すワインとそれに関連
した生活をテーマに金属製彫像が至る所にあるのです。
その置き方が台座で隔離したりではなく、そこの路地を歩く人と等身大、同じ物理
位置で、恰好もリアルな自然な姿で融けこんでいます。
撮影した幾つかを下記に示しますが、こういう彫像を一つずつ丁寧に訪ねる面白さ
もこの街にはあります。


泊ったホテルSAN AGUSTINOS前彫像




PAZ(平和)広場すぐ横の彫像




Palacio de Los CONDES近くの彫像




Plaza La Cruzの彫像




さて案内の最後に強力なWEBをご紹介しましょう。何度か書いたようにHAROを訪れ
たのは急な発見、急な思いつきでした。事前案内が不十分な中を手探りと言うか足
探り、とにかく歩いて街を探索しました。実際に見る事はできてもスペイン語だけ
の説明と言うのも多くて・・・
そうして帰国し、整理しているうちに強力なHAROガイドのWEBが見つかりました。
ああ、これを事前に発見できていればなあ!との思いがあります。
とにかく英語版が見れますし、Interactive Mapやら工夫された仕組みもあって
情報入手でかなり強力なツールです。皆様は是非これらを実際に訪問される場合は
勿論、バーチャルな旅と情報探求にもご活用ください。
2つあります。一つはHaro市が主宰していると思われるもので、市の基本データ
などもありますが案内面も十分豊富です。サイトは下記
CIUDAD DE HARO(ハ―ロ市)となります。
もう一つは観光案内に焦点を当てたものでサイトは下記
DISCOVER HAROとなります。

これらには観光資源以外にレストラン、ショップも案内されています。
EoE恒例で筆者が体験或いは情報探索したものをまとめたレストラン案内、
ショップ案内と併せてご活用ください。

そしてそして、この地の名産、言わずもがなのスペイン、リオハのワインを直輸入
販売します。是非 ワイン販売コーナー にリンクしてお楽しみください。尚実際の販
売は2013年9月後半となります。
















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