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         Essence of Europe         

---ワインや関連するトピックをご紹介---


             トピック             


以下では下記目次に従い説明や記事がありますのでご参考ください。

PROWEIN点描

ワイン評価とAWARDSご紹介

ワインのOn-Line評価サイト


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      PROWEIN点描
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以下の文章で「筆者」はw-essnce合同会社代表、村上丈示を指します。

PROWEINとは?

ワインの仕入れは様々なルートや方法があります。筆者もインポーターの一人と
して取り組んでいますが、今回はその機会の一つであるPROWEINに参加しましたので
そのご紹介をします。

ワイン仕入れのために行われるイベントの代表が「試飲商談会」です。
ワインはやはり実際に飲んで納得して購入する商品です。従って試飲をして貰い、
気に入ったものの商談に入ると言う「試飲商談会」は各地で様々な規模で行われて
います。
その中でも世界屈指と言えるものの一つが毎年ドイツのデユッセルドルフで3月に
開催されるPROWEINです。

何故このPROWEINが世界屈指のイベントになったか、筆者が推測するに幾つかの要因
がありそうです。
先ず最近新世界が伸びてきたとは言え、やはりワインは欧州諸国のお家芸であり、
売り手である欧州各地のワイナリが集まりやすい”地の利”があります。

次にワイン市場におけるドイツの微妙な立場です。
ドイツも勿論ワインを製造していますが、トップ3仏、伊、西の後塵を拝しており、
生産品も主にリースリングです。一方、消費者としては同じワイン文化を共有して
おり、富裕層も多いので”良い客”と言えます。
だからこのPROWEINには欧州各地から多くのワイナリが参加します。

他の国、例えばイタリアでも同じような「試飲商談会」であるVINITALYがヴェローナ
で4月に、フランスではVINEXPOがボルドーで6月に開催されます。
しかし、これらはどちらかと言うとイタリアやフランスが自国のワインを世界中から
インポーターを呼んで売り込む意味合いが強いのです。

しかし、PROWEINでは売り手は欧州および新世界の全ワイナリであり、ドイツのワイ
ナリはその一つに過ぎません。インポータも世界からやてきます。
こうして、売り手、買い手にバイアスが無い、本当にCrossoverが行われる場です。
これがこのイベントを魅力的、効果的にして、人気を博しています。

そしてこれを支えるインフラです。
ドイツは”メッセ”の国。メッセとは展示場です。
ドイツは100万を超える大都市はベルリンとミュンヘンくらいで、他に数十万の
中都市が多くあります。これらの都市の多くにはメッセが作られていて、色々な
イベントを開催する文化とインフラが根付いています。

例えばフランクフルトのモーターショー、ハノーバーの工業見本市、などが有名
ですが、多くの都市のメッセでこのような「展示会」「商談会」が業界や団体毎に
活発に開催されています。PROWEINもこのような流れの中でこそ開催でき、成長
できたと言えるでしょう。

さて、このPROWEIN訪問は筆者も滞在したことがあるドイツを再訪し、又、足を
延ばしてスペインも旅しましたので色々と書きたいところですが、これは別の機会
として本稿では新たに発掘したワイナリ、又、既にお付き合い頂いているワイナリ
を訪問したスナップ写真を中心に雰囲気を見て頂ければと思います。

PROWEIN点描

さて、会場はデユッセルドルフの中央駅からU Bahnで30分程。
U Bahnは日本の地下鉄と私鉄MIXした近郊電車で便利です。
U Bahn駅から会場のメッセへは直結しており傘無しで歩けます。

PROW1


        ↑ U Bahn駅から会場へ、

デユッセルドルフメッセは巨大で、ホールも20位はあります。
今回は9-17の9ホールを使って行われました。

さて最初に向かったのが既に親しく付き合って輸入もしているトスカーナのワイナリ
IL PALAZZOです。
ああ、ありました!そしていつもは農園で汗まみれで働いている農園主の息子さん
がスーツ姿でにっこり。


PROW2


        ↑ ワイナリーIL PALAZZOのブース

ブースで試飲チェックと商談でを筆者と同年輩の農園主と。彼は英語が苦手で通訳
の女性がHELP。今も既に輸入しているワインの新しいVintageの確認が主です。



PROW3


        ↑ IL PALAZZOオーナーと商談


ここのワイナリは家族経営。オーナーはじめ家族皆、人柄も良く真面目です。
だから安心して付き合えますが、勿論ワインの内容は別問題。ワインは人間の思い
や取り組みが大切な事は言うまでもありませんが、同時に自然の気候や環境にも
大きく左右されます。やはり実際の確認んが必須です。
幸い、予定していたワインはすばらしく、合格。発注の内示もしました。

そのうちの1本は秋セールで新発売のトスカーナIGTロッソ「モンテクリスト」です。
サンジョヴェーゼとメルローを使っており、丁寧に仕上げています。
サンジョヴェーゼのワインの中心はキアンティですが、これには使う葡萄品種を
はじめ、厳しい条件があります。この厳しい条件故、安定しておいしい品質が確保
されている面もありますが、より自由に、そしてキアンティよりも更に優れた
ワインを造りたい!、そういう挑戦者が現れるのは当然です。

IL PALAZZOでもそういうワインを造っていて、長期熟成を含めた上級のワインは
MORO ROSSOです。これらはスーパートスカンと呼ばれ、市場で高い評価を受け、
高級ワインの有力な一分野です。弊社でもMORO ROSSOは上級として高い人気を
誇ります。

モンテクリストはスーパートスカンではあるが、よりカジュアルにコストも抑えて
楽しめるように工夫されています。カジュアルなスーパートスカンと言えます。
葡萄を2種に絞り、それぞれの良さを響きあうような造りは見事です。
トスカーナのTボーンステーキなどお肉の料理にはばっちり。食事の楽しさを何倍
にも楽しくしてくれる、グルメの郷トスカーナらしい赤ワインです。




PROW4


        ↑ 商談を終えて歓談


次に訪れたブースは今回初めて導入を予定するプロセッコの候補ワイナリです。
プロセッコはヴェネト州の定められた場所グレラと言う品種で造られたスパーク
リングワインです。多くの候補の中から選定したBIASIOTTOワイナリ。


PROW5


        ↑ プロセッコをBIASIOTTOと商談

試飲チェックさせてもらったら果実アロマと細かい泡がフレッシュさをよく表現
しています、中々すばらしい。イタリアで有名なワイン批評家ルカ・マローにで
BEST PROSECCOに選ばれたのも頷けます。これも発注を内示。


次はシチリアワインです。 シチリアのおいしいワインも探し続けてますが各種の
取引条件が揃ってうまく合う所が中々見つかりません。今回紹介を受けた幾つかの
候補を訪問しました。
やはりそれぞれに一長一短があり、絶対ここ!は難しいのですが、中で有望なのが
Feudo Solariaと言うワイナリ。若い兄弟が真摯に取り組んでいます。

PROW6


        ↑ Feudo Solariaの兄弟

もう少し価格が安ければ・・・とか色々あるものの先ずは試しで輸入してみようと
決断。少なくとも品質や取り組み姿勢は問題ありません。
商売の条件はやっている中で調整しようと・・・これもGOしました。

次はルケです。ルケは当社のワインで大ヒットしている商品。昨年ローマ法皇の
機内ワインにも使われ、話題も含めて盛り上がっています。
このため後1月程で品切れに。急いで追加しようとしたら、今迄の2013Vintageは
Sold Out。2014に変わるとのことで、これは是非ともチェック要です。
ワイナリはピエモンテのSant'Agata。かなり購入を続けているのですが、オーナー
のFranco Cavallero氏と直接会うのは初めて。


PROW7


        ↑ ルケのFranco Cavallero氏

2014のルケをチェック。うーん、菫や薔薇の花の香りは健在。すっきりした
飲み口も期待どおりで合格です。Francoさんは「これから数年は熟成で更に期待
できる」とのこと。

最後はTOBIAです。イタリア館からスペイン館にブースを構えるTOBIAへ。
ここも長い付き合いで、何度も「PROWEINに来て味見してください」と言わ
れつつ中々機会が無かったのが遂に叶いました。


PROW8


        ↑ TOBIAの.Jose Manuel氏

このワイナリで特に人気のあるロゼの新ヴィンテージの確認が主です。
これもOK!独特の芳香と力強い飲み応えはすばらしく、次の輸入時にはお願い
したいと予約しました。


ここでご紹介したワイナリの新製品、今回のセールにも入っています!




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        ワイン評価とAWARDSご紹介
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ワインのInternatinal,Publicな評価は定期的に発行されるワイン雑誌やイベントと
して開催される国際コンクールでの受賞などが主なものです。
今や世界中で非常に多くの雑誌評価、コンクール評価が行われていますので紹介を
始めると切りが無いのですが、一般に名前をよく聞く所を取り上げてみます。

国別で説明して、最後に全体の関係や筆者が受けた感想などをコメントします。

アメリカ

弊社の扱うヨーロッパワイン、その輸出先で一大消費地はアメリカです。
アメリカで自分達のよく飲むワインを色々評価しようと言うのは当然の動きです。
アメリカでの評価は3大雑誌に拠ります。これはワイン・スペクテーター(WS)、
ワイン・アドヴォケート(WA)、ワイン・エンスージアスト(WE)です。
それぞれ特徴を持ちつつ自社評価を掲載します。

WSはレストラン情報などもある人気雑誌で、250万人以上の読者を持ちます。
100点満点で評価され、85点以上が注目を浴びるワインと言えます。
WEはワインセラーなどのワイン周辺機器を扱うカタログ誌でしたがWS同様の100点
満点評価を行っています。
WSとWEは年末にTOP100も発表しており、これにリストされたワインは入手難になる
ことが多いようです。

一方WAはロバート・パーカー氏なるワイン評価で有名な人物が発行する雑誌で、
そこで発表される100点満点の採点がパーカー・ポイントと呼ばれます。
最初はパーカー氏が個人でしっかり評価していたでしょうが、どんどん有名に
なった今や、あまりに多くの評価ワインを一人で評価できるとも思えません。
何らかのチームププレイでやっているのだろうとは思いますし、一個人が良いと
思ったものはあくまで個人的な好みだよね、との批評も当然あります。
しかし、これがブランドと言うものでしょうか、やはりパーカーで90点以上の
評価が出るとハクがつくのも事実のようです。

イギリス

イギリスでは殆どワインを作っていません。温暖化で段々ワインに適した気候に
なってきたとか、南部は海を挟んでフランスのシャンパーニュ地方と同じ土壌だ
から良いスパークリングが造れるなどの話があるとしても基本は消費国です。
いや、ここが大英帝国の性で、ワインの仲介国とのスタンスも結構あります。

そういう訳でイギリスには実際の商売を鼓舞するような雑誌や大コンクールが
あります。
最も権威があると言われるのがインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)
です。1984年から開催されており、金、銀、銅他トロフィーなどが授与され
ます。エントリが13,000程度です。
もう一つが雑誌DecanterとDecanter World Wine Awards(DWWA)です。
特にDWWAは規模では世界最大と思われます。世界中から50カ国15,000程度の
エントリがあり、60名以上のExpert、マスターソムリエが評価に加わります。
これも金、銀、銅他特別賞があります。

例えば弊社販売中で人気の高いクリアンサは2009Vintage(S001)がDecanterで
金賞を受賞しています。

Crianza1


↑ Crianza、Decanter金賞の説明



Crianza2


↑ ついでにクリアンサ2009はパーカー90点!


イギリスでは他にワインに限らずリキュールなど他のお酒も交えたコンクールが
開かれていますInternational Wine and Sprit Competition(IWSC)。

ドイツ

ドイツは伝統あるワイン生産国です。しかし、他の産業とは違い、ヨーロッパの
他国の後塵を拝している状況です。
これはドイツが寒い国だから良い赤ワインができないとか、甘いワインが多いから
と色々解釈されていますが、誤解が多いとも言えます。
ドイツは寒いのは冬であり、逆に夏は日本よりも日照時間は長く、暑いと言え
ますし、温暖化で益々良い赤ワインができるようになっています。
又、ドイツはワインの品質体系を糖分が多い程上等と言うとんでもない間違い
をやったから、輸入されるワインが甘いのが多くなってしまいました。
などなど、ドイツで暮らしてドイツ贔屓の筆者は言いたい事は沢山あれど、まあ
ヨーロッパ4位の弱小である事は事実です。
ですが、欧州随一の経済大国ですから消費国としては大国です。
EU域内での物流が自由になり、ワイン生産大国フランス、イタリア、スペインの
恰好の標的になるのは当然です。

さてドイツは多くの産業で欧州を代表する強豪です。これを支えている一つが
「メッセ」つまり見本市です。ドイツには大きい街には大体どでかい展示会場が
あり、ここで展示だけでなく実際の商談が行われ、次々にビジネスが生まれる、
この伝統がワインにも適用されました。

1994年ドイツのメッセデユッセルドルフつまりデユッセルドルフ市が運営する
ワイン専門見本市ProWeinが開始されました。地元ドイツのワイン生産者は勿論、
大ワイン消費地ワイン生産大国フランス、イタリア、スペインもこぞってこれに
参加、欧州一の大見本市に育ったのです。
この見本市に併設されて開催されるコンクールがMundus Vini(MV)です。
見本市の盛況に合わせ、今や世界有数のコンクールと言えます。

弊社商品では例えばMORO ROSSO2011(T011)が金賞を受賞しています。

MORO ROSSO 1


↑ MORO ROSSO、Mundis Vini金賞の賞状


MORO ROSSO 2


↑ 当商品の突出がわかる評価点の分布


そして更に昨年、Oscar Tobia RiservaがGoldの中でもTOP30にだけ授与される
Grand Goldを獲得しました。


Oscar1

↑ Oscar Tobia Reserva、Mundis Vini Grand Goldの賞状


Oscar2


↑ 当商品の突出がわかる評価点の分布


このワインはリオハ委員会からも「特別なワインである」とのコメントをもらって
いますが、通常(地域全体を振興する)委員会からは中々出ない、それだけに価値
あるコメントと言えましょう。

Proweinはその勢いを買って、アジアへも進出しています。2013年からはProwein
Chinaを上海でも開始しました。このあたりにドイツのメッセ産業の逞しさを見る
思いです。


フランス

フランスは世界最大のワイン国、勿論多くの見本市、商談会が開催されています。
しかし、ワイン大国故と言うか、原産地呼称統制制度故と言うか、ボルドーとか
ブルゴーニュなど生産地域毎の商談や表彰が多く、フランスまとまっての商談会は
6月のVinexpo位でしょうか。
これはコンクール併設は無いようです。どちらかと言うと5大シャトーなど大手の
シャトーがお得意様を招いて新ヴィンテージを試飲してもらい、接待して関係を
強固にする、そんな雰囲気も感じられます。
そして表彰もその地域ごとに「金賞ワイン」が」あります。やはり出来が良いもの
だろうとは思いますが、どうしても地域盛り上げのための拡販ツールイメージが
拭えません。
フランスの生産者も地域での商談会とDecanterやProweinなどの見本市、そして
地域での金賞と国際コンクールでの表彰は両刀使いでうまく立ち回ろうとしている
でしょう。

イタリア

イタリアはフランスに次ぐワイン大国で事情は似たようなものです。
イタリア全体ではProweinの2週間後にVeronaで開催されるVinitalyが大商談会で
あり、他は地域中心になるようです。
但しイタリアではアメリカの例と同じく、雑誌による評価で定着しているものが
あります。
これがガンベロロッソ社が発行する雑誌VINI d'ITALIAで10月に発行されるピッキ
エーリ(星)評価で、最高3から2,1と金、銀、銅に相当する表彰です。
イタリアワインを対象とした評価としては定評があり、それなりのステータスを
獲得できるようです。

日本

最後に日本です。
ワインについては日本は生産大国ではありませんし、消費も極く少ないです。
しかし生産も消費も数よりは質に世界の注目が集まっているのも事実でしょう。
日本ワインも価格や製造量ではまだよちよちですが、質では目を引くものを持って
います。消費地としてもこだわりに日本顧客に満足してもらえるかどうか、結構
関心ある生産者は多く、特に高級ワイン程その重要性を意識しているようです。

その動きに呼応して日本で流通するワインから良いものを選ぶ、と言う活動が
日本での雑誌やコンクールの基本になっているようです。
例えばバリューボルドーなる冊子があって、日本で流通するコストとおいしさの
バランスが取れたボルドーワインを選ぶものです。
日本が主催のワインコンクールもジャパンワインチャレンジ(JWC)など幾つかあり、
日本で入手できる良いワインを選んでいます。

このような中、長年ワイン界を牽引されてきた女性田辺由美氏が中心として2年前
からSAKURA AWARDSが発足しました。
これは国際コンクールですが評価委員が全員日本女性のソムリエ或はワインエキス
パートと言う点がユニークで日本女性のお好みワインと言うことです。
エントリが日本の製造或は販売元からでっも海外のワイナリからでもできると言う
点もユニークで、日本での流通性や日本人の好みを前面に出しつつも国際的な視野
を持ったコンクールと言えます。

これは上記の「日本の質評価を気にする海外ワイナリ」の関心も引き付け、3回目
の本年は35カ国3,543アイテムのワインがエントリされました。
380人の日本女性審査員が、ブラインド・テイスティングにより審査、181アイテム
が「ダブルゴールド」、702アイテムが「ゴールド」、615アイテムが「シルバー」、
総計1,498アイテムが受賞の栄誉に輝きました。

弊社販売品ではChianti Riserva2011(T010)がゴールドに輝きました。



sakura


↑ Chianti Reservaに付与されたSAKURA AWARDS GOLDロゴマーク


まとめ

以上、今回最近の受賞ワインの特集に伴い、不完全ながら見本市やコンクールに
ついて説明致しました。

上で見たように、各国様々な事情や文化、歴史を抱えていますが、おいしいワイン
を作り、情報を発信し、盛り上げようとの思いに違いはありません。

そして最後に付け加えるべきは表彰制度の消費者の受け止め方でしょう。

一般的にプロの方は(少なくとも表向きは)あまり受賞に関心が無いように見え
ます。これはプロだから自分の目で選ぶよ、と言う当然の話の他に、むしろ受賞
していると流通がダブったりして面倒だ、との思いもあるかもしれません。
受賞で日本での入手が容易になると価格なども合わせざるを得ず、お店の独自価値
が出し難くなります。

一方、一般消費者の方は3つ位に分かれます。
一つはよくわからないから買ってみよう。二つは鳴り物入りにあまり良いものは
無いからやめておく。三つは信じちゃいないが元々好みなので試してはみる。
勿論正解などありません。
まあ、さすがに受賞ワインには大外れは無い(筈)位で考えて、後は個々の情報や
できれば虚心坦懐に試飲して自分が気に入るか確認されるのが宜しいでしょう。

以上拙文でしたが参考になれば幸いです。






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        ワインのOn-Line評価サイト
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上記の 「ワイン評価とAWARDSご紹介」 では雑誌やイベントと連動した国際コンクール
での受賞などをご紹介しました。
しかし、ネットの時代、今はインターネットを舞台に、リアルタイムで世界のワイン
を評価して世界のお客様に紹介するサイトも盛んになっています。
今回は小生も参考に覗いている「On-Line評価サイト」についてご紹介しましょう。

こういうサイトも世界中に一杯あるのでしょうが、小生が主に見るサイトは2つ。
一つはアメリカのWINESEARCHER、もう一つはデンマークだったか、北欧の会社が
運営するVIVINOです。以下それぞれWS,VIVと略します。
尚、両サイトとも勿論評価でけでなく買いたいワインを検索できるサイトです。

WINESEARCHER(WS)

WSはhttps://www.wine-searcher.com/。この アドレス で入って、検索のBOXに名前を
入れますと、検索ができます。キーワードだけでもその候補が幾つか表示されるので、
「ああ、これこれ!」と言う感じで見つけ易い。

大きな括りとしてShops,Tasting Notes, Market Dataが選べて、Shopsはどこで売って
いるか、Market Dataは価格推移などが示されています。
評価としてはTasting Notesを選ぶと、一般に飲んだ人の評価と、AWARDSなどを
出している主な評価機関、つまりプロの評価の両方が閲覧できます。
但しプロの評価はフリーに見られる場合と、会員になる(有料かどうかは不明)など
手続きを踏まないと見えない場合があります。

面白いのは顧客の試飲評価とプロの評価が結構食い違う場合も多い事です。
これは呑み慣れた人と素人の違いなのか、どちらを参考にするか、など迷わされます。

又、アメリカ人向けなので、味覚嗜好はちょっと偏りがあるでしょうし、米国に輸入
されていない場合は情報が殆ど無かったり、まあアメリカファーストは否めません。

大体良いレベルのワインには総合評価88-89点がついてしまうようで、一定クラス以上
のワインと迄はわかりますが、その先がやや弱い感じです。

ワインや葡萄品種に関する一般解説はすぐに検索できて充実しており、これは良い点
でしょう。


VIVINO(VIV)

VIVINOサイトはhttps://www.vivino.com/です。

VIVINO は北欧の会社が運営しているようです。従って世界対応ですが、どうしても
ヨーロッパ中心、評価されているワインも評価者も欧州が多いように感じます。
弊社は欧州ワイン専門のため、やはりこちらのサイトを一番多く見ます。WSはその
補完、参考に見る感じです。

機能はWSと同じですが、マーケットデータや販売店の情報はありません。
そしてWSに比べ、評価者のポイントだけでなくコメントを詳しく載せています。
プロ向け試飲会や主だったAWARDS(ワイン評価とAWARDSご紹介にあるような)は
記載がありません。要するにとにかく実際飲んだ個人の感想、評価をベースと
する方針を堅持しています。

評点は1-5の採点で、一般に評価が高いワインは3.5点以上です。一般に、と書い
たのは、評価者が少ない場合にはばらつきが考えられるからです。
例えば評価者が2人で、共に2や5を付けると評価が2や5で出ますが、勿論母数が
少な過ぎて「統計的評価」とは言えません。
この点はサイトが認識していて、勿論評価者の数や評価者の経歴のような情報も
記載され、又、人数大小でもう一段階上の評価が変わります。

もう一段階上とは例えば「Among Top 10% in the world」とかの評価です。
これは評価者が少ないと得点が高くても候補にはなりません。
Top1%, 5%, 10%1があるようで、この中に入っていると多くの方からの厳しい評価
の統計結果として認定される訳です。

ところで小生が最初にイタリアで買い付けたワインはモンテプルチアーノのバリク
とリゼルヴァなんですが、このような評価サイトも知りませんでした。(5年前で
当時はまだ無かったかも)。
只、小生がワインの輸入を始めると聞いて、ドイツの友人から「それでは自分の
同僚の女性が夫はイタリア人でワイナリを経営しているから」と紹介して貰った
のです。

そこでこの稿を書くに当り、VIVINOで評価を検索してみました。
すると、何とバリクは4.2Pt,Top1%, リゼルヴァは4.3Pt,Top5%です!
バリク
https://www.vivino.com/di-camillo-la-tosca-barrique/w/1199308?ref=nav-search
リゼルヴァ
https://www.vivino.com/di-camillo-riserva-red/w/1904068


共に発売開始以来好評ですが、これ程高い評価とは初めて気づきました!
ドイツの友人に感謝です。

最後に

最初に述べましたようにこういうサイトは数多くあると思います。
しかし、ご紹介したサイトは掲載商品も多く、割合総合的なバランスが取れている
かと思います。それでもこういうサイトは絶対では無いでしょう。
ワインは世界に星の数ほどありますし、個人の嗜好はやはりかなり違います。
おいしい、と思ってもこういうサイトに取り上げられていないワインや、サイトに
掲載されているワインを飲んでも自分の感想と随分違う場合もあります。

自分で「おいしい」と納得できる事が一番大事でしょう。

上記で挙げましたモンテプルチアーノはおいしいと思って仕入れ、又おいしいと
ファンになってくださるお客様も多いのですが、AWARDSの面では何も賞を取って
いません。
これはワイナリ主のDiCamilloがAWARDSの賞に応募しないからなのですが、何となく
賞や評価に無縁の「俺だけが知っているおいしいワイン」との矜持がありました。

今回、上記のとおりの評価に気が付いたのですが、なるほど、賞嫌いのDiCamillo
も飲んだ人の勝手な評価を差し止める訳にも行かず、こういう結果なんですね。

やっぱり評価がこんなに高かったかと納得すると同時に、「俺だけの・・・」が
幻であってちょっとがっかりの部分もあります。





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