Essence of Europe
Brindisi案内
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Brindisi(ブリンディジ)はアドリア海沿いにある小さな港町ですが歴史のある街
でありその歴史に裏打ちされた幾つかの特徴を持った街と言えます。

先ず、ここはAppia(アッピア)街道の終点です。
アッピア街道は紀元前から古代ローマ帝国のローマと南イタリアを結んできた世界
最古とも言える街道です。港沿いにはこれを記念する円柱(Columns)が聳えており
名所になっています。
この円柱は本来2つあったのですが、現在もう1つは内陸へ40Km程入った都市
Lecce(レッチェ)にあります。これは17世紀に当時の疫病回避に尽くしたLecceの
S.Oronzo(聖オロンツォ)に感謝してBrindisiからLecceに寄贈されました。
従ってLecceのものは円柱の上にS.Oronzo(聖オロンツォ)の像を頂いていますが
Brindisiのこの街道終点円柱のペアなのです。


Brindisiの円柱(Columns)



このBrindisiの円柱を Lecceの案内 の最初の写真として出てくる”ペアの円柱”
写真と比べて見て下さい。

Brindisiはその地形を見るに一度外界から狭い水路にて東西に広がる湾に入る
構造の天然の良港に見えます。おそらくそういう環境もあって、ローマ帝国時代
から地中海へ出入りする港として栄えてきました。


Brindisiは天然の良港、今も活発な海の活動



現在でもギリシャやトルコなどへのフェリーなどが航行する海上交通の中心です。


メインストリートが海に当たる所がフェリー乗り場




フェリーのチケット売り場にはアルバニア、ギリシャ、トルコ等



そして同時に現代の交通の要である航空でも南イタリアで空港を擁する街として
バロックの街Lecceや世界遺産Alberobelloへの空の玄関口となっています。

Brindisi空港からLecceへのバスですが  COTRAP と言うサイトに情報があり
ます。このサイトの上のタグ Prenota Pugliairbusをクリックして入ると左側に
Orari Corse=Time Table(時刻表)との文字が出ますのでこれをクリックします。
日付と出発、到着の時間を入れてGOをクリックするとその日付の時間表が出ます。
Lecceへのバスは1-2時間に1本出ていて5-6Euro,40分程度で着きます。
但し、筆者はレンタカーのため気付きませんでしたが、Lecceの到着場所(Terminal)
が市中とやや離れている問題がありそうです。
Terminalからは21番のバスに乗るのが良い、但しの係員に聞いて確かめること等
の情報がイギリスの旅行サイトには載っています。勿論ガラガラを厭わなければ
歩いても行ける距離のようですが。

Lecceの案内については本サイトにある Lecce案内 もご覧ください。
Alberobelloについては有名な観光地であり既に情報も多いですが本サイトでも
【東南イタリア訪問記】 で触れています。この地域のドライブ旅行などに興味のある
方は併せてお読みください。

さて割合小さな街で、鉄道駅から海迄に街の殆どが入り、容易に歩いて回れます。
そして所謂名所はCORSO UMBERTO+CORSO G.GARIBARDIと続くメインストリート
の西側にあります。これらを散策するコースがCittaperte(cittaaperte=開放都市)と
言う冊子で紹介されています。これはInformationセンターで英語版がUrban Walks
として入手できます。Informationですが海岸通りのViale Regina Margheritaに
位置します。2012年夏現在の情報としてはこのエリアは工事中でややがちゃがちゃ
していました。


Brindisi Urban Walksの英文パンフレットが有効



それでは以下、Urban Walksの冊子に沿って街歩きを簡単に紹介しましょう。

Informationセンターの近くにあるappia街道終点記念円柱がUrban Walksの出発
点です。この円柱については 上記にて述べました。
海岸からこの円柱へと階段を上がった所からHistorical Townが始まっており、
大聖堂を中心にしたPiazza Duomoがあります。
実は第二次大戦時、イタリアは日独と同じ敗戦国側になるのですが戦争終了前に
政府がローマからここBrindisiへ退避した経緯があり、その時に連合軍の爆撃を
受けて建物が損傷しました。それでも今は復旧し、堂々たる建物、そして定評の
ある州立考古学博物館 Museo Archeologico Provinciale Francesco Ribezzo
あります。


大聖堂、Piazza Duomoと州立考古学博物館


更にVia G.Tarantiniを進むとS.Michael the Archangel教会が左手にあり、その
横の嘗ての学校は今Corte degli artigiani(匠の中庭)と呼ばれています。
ここには地域のちょっとした工芸品が並べられています。
次にこの奥の路地を少し入るとちょっと丸い形を覗かせる屋根の下、Tempio di
San Giovanni al Sepolcro(墳墓の聖ヨハネ寺院)があります。これは十字軍と
巡礼の時代、聖地エルサレム迄行けない場合にこの寺院がその替りをしていま
した。従ってエルサレムにある建物の複製と言うことです。やはり中々厳しい海
路を含む旅路に発てなかった人も多くそれでも地中海へ出る最後の港迄来たので
せめてものお参り用にこういう寺院ができたのでしょうか?
入り口はBariにある聖Nicholas寺院とよく似ており、時代の変遷によって次々に
変わった建築材が共存する建物として有名です。
内部にはフレスコ壁画も残っています。


十字軍時代を偲ばせる墳墓の聖ヨハネ寺院


少し戻る感じで南へ進んだ所には今度は最新の劇場Nuevo Teatro Verdがあります。
ここは1960年代から建築計画が始まりながら、実際に完成したのは2006年です。
色々な頓挫を経ながら完成しました。そして興味深いのは建築中に見つかったロー
マ時代の考古学的遺跡を残すために工夫されたその構造です。
遺跡を残すために支柱の上に乗るような宙吊り構造が採用されました。ロビーは床
がガラス張りになっており、古代遺跡を観察することができます。遺跡はアッピア
街道の名残で、車輪の跡が残る石灰岩の板石をご覧になれます。道の端には温泉や
モザイク模様の部屋跡があります。この劇場はイタリアでも最大級の1000席を擁して、
普通の芝居とオペラを双方上演しています。

劇場の向かいはGranafei-Nervegna Palaceと呼ばれ、嘗ての所有者ファミリーの名
を冠した歴史のある建物です。古い方は16世紀に遡る建物ですが今は市役所として
使われています。ここには歴史を語るgalleryと展示室があります。
古い建物の右には中庭のある建物があり裁判所として使われました。2008年の修復
作業後、ここの中庭に面した1階ホールには円柱の上に飾られていたオリジナルの
コリント式柱頭が展示されています。
この柱頭は海上神話に関する12の生物に周りを囲まれています。彫刻は柱頭が遥
か下からでもよく見えるようにはっきりと形成されています。

最後にVia Santi通りを下るとこのコースの終点Piazza Vittoria広場に着きます。
ここは1600年代貴族と平民用の二つの広場が分かれており、その中央に1617年に
噴水ができました。この噴水は市民に水を供給するで、アッピア街道終点で海路へ
の出入り口であるBrindisiではローマ時代のから既に給水インフラは整備されてい
たのです。この広場は現在の市内随一のメインストリートCorso G.Garibardiに面
していますが、ここは嘗ては水が淀まないように保つ水路でした。

以上がUrban Walksの概略ですが、冊子には上記以外の教会や歴史等の情報も満載
されています。

さて、この街でのShoppingについては残念ながら十分な情報を得ていません。おそ
らくメインストリートCORSO G.GARIBARDIとそれに続くCORSO UMBERTO,Corso Romaで
ショッピングが楽しめると思います。

レストランについても十分な体験チェックができませんでしたが、Informationの方
から聞いた地元情報を中心にまとめておきましたので  Brindisiレストラン  を参考に
してください。




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