Essence of Europe
Guntrum Winery(ワイナリ)



Guntrum氏のワイナリを見学させて頂きました。正式な呼称は以下です。

LOUIS GUNTRUM
Weintradition seit 1648 - Nierstein / Rhein
Rheinallee 62 55283 Nierstein Deutschland
Tel: 06133 / 9717-0

3行目のRheinallee....をGoogle Mapに入力すると場所が出ます。ここはラインヘッ
センと呼ばれ、ドイツの白ワインの産地の中でも規模が大きく有力なワイナリが
揃う地域です。
フランクフルトの東南部を悠然と流れるライン川に沿って広がり、豊かな水と夏の
強い陽ざしと収穫前の朝夕の大きい温度差がこのすばらしいワイン向け葡萄が
獲れる原動力になっています。眺めも何とすばらしいではありませんか。

NS

ライン川沿いに悠然と広がる葡萄畑


その中でもGuntrum家は名門で、そもそも彼の名前はLouis Konstantin Guntrumと
言うのですが何と立派な皇帝か貴族を彷彿とさせる名前です。
敷地に立っている建物には1783とあるのですがワイナリ自体は1648年以来の歴史が
あるそうです。

Field

1783の建物も古いがワイナリは1648年から


さて、メインの建物は1階に受付ホールがあります。このワイナリはフランクフルト
から車で30分から1時間程度で来れますので、一般の商業出荷の他にフランクフ
ルトに来た観光客やビジネス客がちょっと寄ってお土産に買っていくこともでき
ます。そのために商品展示や試飲できるコーナーがある他、このワイナリの説明
のための地図や博物館的な諸品の展示ケースなどもあります。


Hall

ホールで試飲しながらお土産も買える


FMap

ワイナリの地図を見ながら説明も受けられる


Showcase

歴史の詰まったショーケースは小さな博物館


このメインの建物の下が醸造所と貯蔵所です。地下と言うことになるのですが実は
建物がライン川に向けて下がっていく斜面にあります。従って道路から入って地下
へ下がっても川側の出口は又川に面した地上階となるのです。
このように川にとても近いので、春先の洪水の季節には結構建物の傍まで水が上が
って来るそうです。それでもこういうぎりぎりの川辺で豊富なライン川の恵みを存
分に与え育てた葡萄をワインにするからこそおいしい上質ワインができるのです。
川の水位が上がる春先は外階段のどこまで水が来たか、チャンピオンデータを記録
しておくとのこと。今迄の所1955年2月末に測定されたのがチャンピオンであり、
階段にHochwasser(洪水水位)としてマークされています。


Hochwasser

階段に刻まれた1955年の洪水水位


醸造は地下に並べられたタンクを中心に行われます。一部を見せて頂きましたがか
なり大規模で温度管理を含めしっかりコントロールされて作られています。


Hochwasser

醸造所の様子その1



Hochwasser

醸造所の様子その2


同じ地下に貯蔵所もあります。ここでは当然地下の安定した温度を利用して十分
な熟成品を作り、又、何年も寝かせてヴィンテージものを作ります。このワイナリ
の貯蔵品の中には地元の家族の記念品として保管されているものも多くあります。
例えば結婚式の時に記念に樽に詰め、子供の誕生祝いや結婚何周年とかの家族
のイベントに樽に詰めたり、又樽から注いでの乾杯に使ったりする訳です。


Fass

樽での熟成と保管



Bottle

瓶での保管



Memorial

銀婚式を迎えた家族の記念樽


同じ地下に面白いものがありました。酒の神バッカスの彫刻像です。このワイナリ
に古くから祭られているようで中々風格があります。
このように恵まれた自然の地で長い伝統に支えられてドイツを代表するリースリン
グ種の白ワインを造り続けてきたGuntrum家、最近迄の主だった先代の時代には
フランクフルト空港を発つ飛行機のエグゼクティブクラスにドイツ白ワインの代表
として納入した実績もあるようです。
若い現在の当主になってアメリカへの輸出などにもチャレンジ、都会の疲れを癒す
ラインの自然の恵みとして売り出しています。
ドイツ産で、それも恵まれた自然と都会の洗練を併せ持つ商品の日本への輸入を
探っていた筆者のエッセンスオブヨーロッパ計画にぴったりでした。Guntrum氏にも
賛同を頂き、日本への初輸出が実現しました。どうぞ 販売サイト からご注文の上
この貴賓なワインを味わってください。


Baccus

長い歴史を見守り、ワイナリを庇護する酒の神バッカス像



Bottle

Essence of Europe計画に積極賛同頂いたGuntrum氏(右)と筆者



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