Essence of Europe
Frankfurt案内
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これは Essence of Europe(=EoE)ホームページ に連なるFrankfurt総合案内
ページです。 EoE Frankfurt案内地図 と一緒にご覧ください。
街の造りから色々なレストランやショップ、そして買い物案内を行うと共にこれら
の背景になる情報や物語りを紹介していきます。

目次
【Frankfurt魅力】
【Frankfurtトポロジカルスケッチ】
【Frankfurt情報と物語1】
       1.交通、天気予報    2.駅    3.空港    4.SQUAIRE    5.EU
【Frankfurt情報と物語2】
       6.博物館、美術館、劇場    7.メッセ    8.クラインガルテン
【Frankfurt食事とレストラン】
【Frankfurtショップ】
【Frankfurtワイン】

Romer1

伝統あるレーマー広場の向こうに見える高層ビル



Romer2

レーマー広場の象徴、木組みの家が独特の雰囲気


【Frankfurt魅力】                                     地図を見る

Frankfurt魅力は1.歴史ある国際都市、2.交通の要、3.コンパクトな作り
と言うことになるでしょうか。順次概説してみます。

1.歴史ある国際都市

フランクフルトは都心にもローマ時代の遺跡があり、元々の街の作りがかつての
城壁に沿って作られているようにローマ帝国時代より一貫して国際的な波にもま
れて来た地と言えます。
このような古い時代から既にフランク人が川を渡る地点との意味で命名され、紀元
800年フランク王国がカール大帝の下に統一された時の中心地ともなりました。
このフランク王国がカール大帝亡き後、東、西、中のフランク王国に分かれ、これ
がそれぞれドイツ、フランス、イタリアへと展開していきます。
ドイツとフランスはこの後長い葛藤の歴史を経るのですが、17世紀以降急成長す
るプロイセンの勢いを得たドイツが19世紀にビスマルクの指揮の下、次々に列強
をなぎ倒し、遂に1870年の晋仏戦争に勝利してパリに入城、1871年にドイツ帝国
の成立を実現します。
しかしこの後も20世紀にかけてドイツの苦闘は続き、悲惨な第二次大戦の結末を
経て遂に今日のEU(ヨーロッパ連合)へと至るのですが、そのEUもまだまだ財政
統合や貧富の差など諸問題で存在意義を厳しく問われ続けているのは今も日々
報道されているとおりです。

こういう複雑で長い歴史の中で常にフランクフルトは中心の役割を果たしてきまし
た。ドイツ帝国を担うことになるビスマルクはその成立の20年前、外交官として
フランクフルトに赴任して欧州激動を肌で感じ、人脈作りにより後の活躍の素地を
作ったと言われます。又、現在の欧州金融問題の重要決断が行われる欧州中央
銀行はドイツの要ドイツ銀行と共にその本社をフランクフルトに置き、その動きは
世界から注目される存在であり多くの人を引き付けています。

ドイツの都市人口を比較するとベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ケルンなどが
人口100万を超える大都市です。フランクフルトは70万人弱でそれに次ぐ規模に
しか過ぎず決して巨大ではありませんが国際交流の役割を担う都市としては上記
のとおり常に中心的、先導的な役割を果たしており今後も益々重要な都市です。

マイン川沿いを歩いてみればすれ違う人の50%はドイツ人だとしても、残りは欧州
各国や、アフリカ、アジア、南米など世界各地からの観光客や住民だと言う事実に
気付くでしょう。
この状況に応じて世界各地のレストランも揃い、インターナショナルな雰囲気や
食事を楽しめます。ドイツの中でも或いは欧州大陸でも国際色の強い香りを放つ
都市のトップクラスと言えるでしょう。

2.交通の要

1項に書いた国際都市になった背景でもあると思われますが、Frankfurtは欧州の
真中にあると言えます。ここに更に空港をLufthansaがハブ拠点として展開した
ために今日的な意味でも交通の要の地位を獲得しました。
Frankufurt空港はまだ拡張中ですが既に巨大な空港であり欧州そして世界各地
の主要都市にフライトを運行しています。欧州であれば殆どの地が2時間以内、
ヘルシンキ、リスボン、イスタンブールと言ったやや遠い都市でも3時間以内には
着けます。
ドイツではミュンヘンにも新たに拡張された空港があってここもLufthansaはハブ
として活用していますが、都心への便利さにおいてフランクフルトが勝ります
ミュンヘン空港は郊外で都心へ1時間レベルを要しますが、フランクフルト空港は
都心へ車でも電車でも僅か15分です。街の中にあると言っても過言ではない便利
さは国際銀行などの本社機能にとって肝要であり、その拡張と共に更なる発展が
期待されます。

又、あまり知られていませんが通常の巨大空港であるFrankfurt am Main
(マイン川沿いにあるフランクフルトと言う意味)の他に200Km程離れた所にFrank
furt Hahn(ハーン)空港と言う空港もあります。
このHahn空港は最近日本でも盛んになってきたLCC(Low Cost Carrier、
いわゆる格安航空)の草分けであるRyanairが拠点にしている空港です。この空港
と関連する旅や都市については 別稿 がありますので興味ある方は参考にして頂け
ればと思いますが、Frankfurtの都市としては早々とこのような新興のActivity
を取り込んで次の時代の発展にも目を配っている所がさすがと思わせます。

飛行機だけではありません。ドイツは自動車産業の雄として世界をリードする先端
自動車を産み続けてきました。同時にその自動車を活用し、走らせるインフラにお
いても世界をリードしてきました。有名なAutobahn(アウトバーン)は最初に
フランクフルトとその南にある都市ダルムシュタットの間に驚くべき広い道として
敷かれ、これはヒットラーが戦時の滑走路を想定して作ったと言う(真偽不明の)
エピソードはあまりに有名です。アウトバーンもこのフランクフルトから各都市へ
と太く繋がって人とモノの流れを支えています。

人とモノの流れを支えるのは他にも鉄道、伝統ある水路などが機能しています。
鉄道は日本の新幹線にも引けを取らないICE(Intercity Express)が導入されて
以降人気を盛り返し、今や欧州大陸各地或いはトンネルを通ってロンドンなどへ
の直通ルートも開きつつあります。
又、マイン川を特に夜などに見ていると静かに大きな船が行き交い、往時の重要
交通、運搬機関である船が決して過去のものではない事を実感させてくれます。
マイン川はラインへと注ぎ、商業の国オランダへと続くのです。

このように現在の先端を担う航空運輸は勿論、あらゆる交通運輸の分野でフラン
クフルトは枢要なポジションを占める要になっています。

3.コンパクトな作り

この街を魅力的にしている一つの要素がそのコンパクトさにあると言うのが私の
主張する説です。
勿論コンパクトと言うのは大きくないと言う意味です。街の端から端まで歩いても
30分程度です。その外周りは住宅地が森や原っぱと共に点在しており、Frankfurt
圏と言う意味では便利な郊外ですが街の大きさとしては大変限られたものです。
(尚、郊外の住宅や生活に興味ある方は フランクフルト滞在記 を参照ください。)
しかし、大きくないだけならスモールと言う言葉でもいいのですが、この街はコン
パクトと呼ぶべきだと思うのはそのスマートな構造や色々なものの集まる密度が濃い
と言うイメージが強いからです。
構造上最もこれを特徴付けるのがマイン川でしょう。この川は街の真中を流れてい
ます。或いは歴史的には川を真中にして街ができた、街を作ったのかもしれません。
そして川と街が非常に近い。街を勢いよく歩くとどぶんと川に落ちそうです。
川は自から空間ができて広がります。その上に元々広がるほっとした青空。
しかしFrankfurtは街が近いために川から空へと広がるの景色の中に同時に
街が姿を現します。それも歴史ある大聖堂や教会と銀行などの現代高層ビルが同居
した街が映ります。川、街、空が見事に繋がっていく風景。
このような景色、雰囲気を出せる所は少ないでしょう。マイン川の橋を渡る観光客
はほぼ例外無くカメラを構えてしまうのはそのためです。
街の主要部でマイン川を渡る橋は5つあります。3つは車やTramも人も渡れる
大きな橋で、その3つの間二つにかかる橋が歩行者専用の静かな橋です。
できればこの静かな二つの橋の中央でちょっと立ち止まって見て下さい。上に申し
上げた独特の風景に、そして多分ひっきりなしに渡る多彩な国の人々にFrankfurt
の魅力を存分に感じる筈です。


マイン川から街そして空へと広がる景色



【Frankfurtトポロジカルスケッチ】          スケッチを見る      地図を見る

トポロジーとは距離などにはあまり気にせず相対位置に注目して幾何構造を探求
する数学の分野ですがここではFrankfurt(フランクフルト)の街を骨格を頼りに
粗っぽい作りと言うか街の構造のようなものを探ってみますのでトポロジカルなス
ケッチと称しました。こういうスケッチができるのも上に記したとおりコンパクト
な街だからこそと言えます。
添付図 フランクフルトトポロジカルスケッチ をご覧になりながらお読み下さい。
図の上が北、下が南になっています。

市内の骨格はマイン川と都心をぐるりと回る形のS-Bahn(郊外電車)により形成
されます。@が中央駅でここからG迄S-Bahnが番号順にぐるりと回るのですが@
の中央駅から北の郊外にS3,4,5,6が走っています。又同じく中央駅から西に
S1,2,7,8,9が走ります。このようにS(S-Bahn)は郊外電車として方々へ向かう
のですが都心だけはここに記した共通の線路を走る訳です。
都心から東の方にはS1,2,8,9がDのオストエンドシュトラーセ(これは東側の駅
と言う意味です)から分かれて走り、南の方にはS3,4が延びています。これらも
全て都心は@−Gの同じ線路を時間を分割して走る訳です。この方式はミュンヘン
などドイツの主な都市では大体共通のものようです。

このようにSがぐるっと囲っているのが都心ですが、真ん中をマイン川が右から左
へと流れて行きます。Sがマイン川を横切るDとEの間は地下で、川底の下を通り
ます。マイン川の上を通過する橋は都心では主に5つあります。最も下流がフリー
デンス橋で、真ん中にウンターマイン橋、最も右にアルテ橋がかかり、これら3つ
の橋は車も人も通行できる大きな橋です。
一方、それらの間に2つの小橋が挟まっています。フリーデンス橋とウンターマイ
ン橋の間にあるのがホルバイン小橋、ウンターマイン橋とアルテ橋の間にあるのが
アイゼナー小橋です。この2つの小橋は歩行者用であり、車は通らないのでゆっく
り散歩するのに適しています。

郊外電車Sに対して地下鉄のイメージで都心とすぐ近郊を結ぶ電車がU(U-Bahn)です。
都心の南の中心駅FのSud(ズド、南の意味)駅から北の中心駅Hauptwache(ハウプ
トヴァッヘ、中央見張り所の意味)へ川の下を含め地下で結んで北の郊外へと走る
のがU1,2,3,8です。一方U4,5,6,7は川の北側で東西を結ぶ役割になっています。

道路は勿論複雑に一杯走り回っていますが、このトポロジカルスケッチではAとG
を結ぶ線、A、BとFを結ぶ線、CとEを結ぶ線が上記に紹介した3つの橋を通る
中心的な交通役割の道であることがおわかりになるでしょう。

名所も色々ありますが、主なもので目印なりそうなものがどこに点在するかを×で
示しました。
中央駅@から少し北へ上がった所にa:Messe(メッセ)があります。これは展示
場であり、様々な国際見本市が開催されますが2年に一度奇数年の秋に開催される
モーターショーは世界的に有名です。
フランクフルトの2つの有名劇場Alte Oper(アルテオ―パ、古い方の劇場の
意味)とNeue Oper(ノイエオ―パ、新劇場の意味)がb,cです。
bはAのタウナスアンラ―ゲ駅のすぐ傍、cはUのWilly Brandt Platz(ヴィリー
ブラント広場,d)の傍です。bは繁華街中心駅Bからぶらぶら歩けるFressgassの端
に位置しており、このFressgass(食べ物通り)はその名のとおりレストランやカフェ、
それにAppleストアや有名食品店などが軒を連ねるフランクフルトらしい通りの一つ
です。一方cの最寄駅dは中心地の一つで、財政ニュースでよく登場する欧州中央
銀行もcのすぐ目の前です。他に高層ビル通り、ゲーテハウスなど放射状に観光ス
ポットへ向かえる地点です。

フランクフルト名所で有名であり絵葉書などにも代表的なものとして登場するのが
レーマー(市庁舎)広場とドム(大聖堂)ですがこれはeとfで、中心駅Bから川
の方へぶらりと歩くと割合すぐにe:レーマー広場に着き、そこを東に進むとf:
ドムへとたどり着きます。e,fからは川はもうすぐ近くです。
川向う(南側)のポイントの一つはg:Studel(シュトゥーデル)美術館でしょう。
フランクフルト市内には33の美術館、博物館がありますがここはフェルメールや
レンブラン初め価値が高い作品を揃えている市内の代表的美術館です。ホルバイン
小橋を渡ってすぐの川沿いで、やや交通の便が悪いようにも思えますが、中央駅から
歩いても15分程度です。尚、このあたりは美術館、博物館が多く立ち並ぶ区域で
す。ウンターマイン橋とSud(ズド)駅を結ぶメイン通りにあるh:Schweizer
Platz(シュヴァイツァ広場)は地元住民がよく集う場所でおしゃれな店も多い
区域です。

エリアとして楽しめるのが一つはFressgasseで上記のとおりBとAを結ぶ通り
です。その続きで今度はBからCへと続くのがZeil(ツァイル)と呼ばれる通り
でここは将に街のショッピングや街歩き中心街、日本の銀座のような中心街です。
どんな種類の店も一通りありますし、百貨店2軒もここに面しています。
My Zeil(マイツァイル)と言う比較的新しいSCの中でも大型スーパー(地下)
はじめ色々ショッピングを楽しめます。ツァイル自体も店が多いですがその周りに
も面白い店、有名店がありますので少し足を延ばすといいでしょう。

川を越えるともう一つ有名なエリアであるザクセンハウゼンがあります。ここはい
わゆる下町でレストランや飲み屋が密集する活況のある地区です。

AからEまで分けた区域ごとの特徴を述べましょう。
A区域:中央駅前の雑踏とそこから都心への通り沿いの道が中心。駅前はどこでも
そうですが特に夜は危険な地域にもなるので十分注意して下さい。只、妙な勧誘が
あっても乗らないようにすれば良くて、過度に怯える事はありません。駅の構内等
を含め或る意味で街を楽しめる面白い場所です。旅行者初め各国人が集うのでレス
トランや店もイスラム、インド、アジア向けも多くあります。

B:西側は高層ビルの並ぶ通りで、東側はハウプトヴァッヘへと続く賑やかな通り。
特色ある店も並ぶビジネス、コマーシャルの相乗り地区。

C:ツァイルとマイン川に挟まれた観光の中心地区。e,fの周りには土産物屋や
観光客相手の店が多く並ぶ。

D:ザクセンハウゼン地区。下町で活気のあるレストランや飲み屋が集まる。
ローカルな雰囲気を味わうには良い。
E:川沿いには博物館、美術館も多い比較的静かな住宅地域。住宅地としてのフラ
ンクフルトの雰囲気、その日常の洒落た店などを体験できる地区。

フランクフルトは小さな街です。距離的には全部を歩いても3〜4時間でしょうか。
この小さな都心に歴史と国際化に彩られた観光スポット、店や商品がぎっしり入っ
ており、かつ現在のビジネスや金融でも輝き続けている、活気ある面白い街です。
是非このトポロジーを頭に入れて方々をお楽しみください。


【Frankfurt情報と物語1】                                     地図を見る

フランクフルトの街の情報を少し挙げておきます。
これも一般的な情報は普及している旅行ガイドなどに載っていますから、ここでは
ちょっとプラスαの情報を或いはリンク先を挙げたつもりです。
そして単なる情報だけでなく、それに関する経験や私見などがあれば物語として
書き足しました。背景情報として活用或いは楽しんで頂ければと思います。
ここ情報と物語の前半(情報と物語1)では気象や交通面の情報と物語で、以下の
内容    1.交通、天気予報    2.駅    3.空港    4.SQUAIRE    5.SQUAIRE を含みます。

1.交通、天気予報

交通と天気予報は旅行や滞在時に欠かせない情報です。
Frankfurtの交通はほぼすべてが rmvサイト にて検索できます。英語もが出ますの
で大体おわかりになると思いますが左から3つのタグ、Timetables(時刻表)、
Services & Networks(サービス情報)がよく使う有効なタグです。
Services & Networksには地図、路線図関係が載っていますから印刷して持た
れると有効でしょう。Timetableタグでは時刻表を打ち出す事もできますし、
A駅からB駅へ何時に着きたい(出発したい)との条件からどの交通機関が最も
有効で実際何時にそれがあるかというような探し方もできます。
うまく使えればFrankfurtエリア関連の鉄道情報はこれでカバーできます。

天気予報は本当に色々なサイトがありますからどれが良いとは言えないと思います
が、私自身がよく使って有効だったサイトを参考に挙げます。一つはやや長期、と
言っても8日間の予報を出しているものでそれ以上もありますが有料になります。
次のサイト weather frankfurt germany となります。
一方、今現在とか、今から数時間とかの予報も出しているサイトとして有効だった
のは Frankfurt-Main Weather Forecast and Conditions です。私はこの2つを
併用していました。尚これらはいずれも世界各地、勿論日本の予報もあります。

2.駅

滞在記でも述べましたが日祭日に多くの店が閉まるドイツにおいては特に空港と駅
はよく知ってうまく活用すべき場所です。都心の駅はS,U共に多くありますが、
主要駅は トポロジカルマップ にあるSの駅@BCFであり、
更に絞ると@中央駅とBハウプトヴァッヘがメインの2駅と言えます。

中央駅は文字通りフランクフルトから各地へ出る列車の出発駅です。
又、日本でもそうですがここは各地へのバスの拠点でもあります。各地と言うのは
ドイツに限らず東欧やクロアチア行きのような国際バスも出ています。駅のメイン
出入り口は東側に位置していてトラム(路面電車)の駅などがありますがこのバス
タ−ミナルは駅の南側出口にある駐車場を取り囲むように配置されています。
駅構内に色々な店がある他、地下にも少し雑貨店やパン屋などがあります。
そして駅周辺も店が多く、ごちゃっとしたインターナショナルな雰囲気です。
乗降客向けに多くが日祭日も開いています。
中央駅の構内地図については例えば次の 英語サイト にも掲載されています。
この親サイト Railteam は上で紹介したrmvサイトの親玉のようなサイト
で、中央欧州広域をカバーしていますから国境越えの移動などにも有効なサイト
かと思われます。(私自身の使用実績はありませんが)。

一方ハウプトヴァッヘ駅は多くのS,Uが通る結節点でもあり、ツァイルと言う銀座
のような華やかなショッピング街の発端ですから銀座と新橋をまとめたような駅の
雰囲気です。ここは多くの案内書に説明されていますし、情報も切りが無いので自
ら経験して頂くのが一番ですが意外にその重要分岐のど真ん中地下街の地図が無い
ようなのでここでは添付の ハウプトヴァッヘ地下図 に簡単にまとめました。
参考にして下さい。

ポイントだけを述べますと貴重なのはトイレ、劇場やスポーツ関係イベントなら
どの切符でも買えるチケットショップ、コインロッカー、などです。勿論殆どの
S,Uが通る大きな乗換駅なのでその場所把握も大事。他にも面白い店、便利な店
も多いのでぶらり歩きを楽しめます。
要注意はDB(Deutche Bahn、ドイツ鉄道)の旅行者用切符売り場は地下ではなく
トイレ横階段を上がってすぐ左の地上広場内の丸い建物です。ここの係員は英語も
できて親切に旅行計画を聞いた上で安い切符を提案してくれます。

3.空港

空港はFrankfurtの売り物の一つです。欧州の中心、ドイツの中心に位置し世界中
から観光にビジネスに人が集まり通過しますからこの空港自体が一つの街のようで
す。それだけに多くの案内書にも詳細が書かれていますのでお読み頂ければと思い
ますが、ここでは本当の骨子のみと裏情報と言うか知っておくと良い情報を挙げて
みます。

先ず基本情報は 空港公式サイト にあります。驚いたことにこのサイトの右上端
の言語選択の所で日本語も選べてここに日本語で殆どの情報が得られます。これは
私は今回初めて気がついたので最近の機能のように思えますが、昔からあって気付
かなかっただけかもしれません。

この公式サイトに書いてない情報を説明しましょう。
空港ターミナルは1と2(T1,T2と略す)があります。情報を詳しく見ればわかる
事ですが要T1がスターアライアンス、T2がそれ以外なのです。Lufthansa(ルフト
ハンザ)やANAがT1です。ルフトハンザの拠点空港なのでこちらが大きくて賑やか
なのは当然かもしれませんが、逆にT2は静かで大人しいので要注意です。
つまりお土産や色々な食事を楽しむにはT1の方が店も多く雰囲気も華やかです。
勿論T2も基本的な店は揃っており特に最近は新しい店も増えてはいます。
T1とT2の間はモノレールで簡単に行き来はできます。

さてT1はこのように大規模なだけに注意も必要です。T1の中でも3つのエリア
A,B,Cに分かれてAが最も混んでおりBがその次、Cは一般にはややマイナーなフ
ライトが運行されています。特にA,Bはセキュリティが混みますから時間の余裕
が必要です。又セキュリティを通った後もAの端の乗機ゲートですと延々15分程
度歩きますからこれも要注意。そして搭乗ゲートがいきなり変更されたりします
からゲートのフライト番号表示を確認したり周りの様子(お客が居るか)に気を
配ると良いでしょう。

そしてこのT1で降りた時はバッゲージクレーム(以下BGと略)の場所が要注意
です。降機後パスポートチェックなどがあって最後にBCへ進み、ここで預けた荷物
のある人は荷物を自分で受け取り、荷物を預けなかった人はそのまま通過して出口
へとなる筈です。ところがフランクフルト空港のT1ではこのパスの途中、BCへ行く
前に一度フリーエリアに出てしまう構造になっているのです。
これで何が起こるかと言うと、カバンを預けた人は必要なのでBCと書かれた看板
を探してフリーエリアから再度バッゲージクレームの場所へと進むのですが、カ
バンを預けてない人はこのフリーエリアに出た所で『あれ、もう一杯人がいる、
公共場所へ出ちゃったんだ』と感じます。実際、預けた荷物が無いならもうここで
街に出てしまっても良いのです。

しかし、例えば迎えの人が居る場合はここは全くオープンなスペースなので待ち合
わせるのに適した場所ではありません。実際私が滞在中にも荷物を手持ちだけに絞
った出張者がこの場所迄来て『あれここはもう一般通行人も居る場所だ、ひょっと
して待ち合わせ場所を通過してしまったのではないか?』とうろうろし始めて益々
状況が悪化したことがあります。
又、荷物は無くてもBCのある階は出口想定になっていて街に出るタクシーや電車
などとアクセスし易く、案内もありますが、途中で出てしまうと案内も無く賑やか
な人通りにのまれて苦労することになります。
フランクフルトT1は荷物があろうと無かろうと、最後迄BCの案内を見失わず
(地下1階ですが)そこから出るようにするのがベストです。

空港から市内へは通常タクシーか電車が良いでしょう。タクシーの場合は都心迄
大体30-40ユーロです。一般にドイツのタクシーはしっかりしています。料金を
ふんだくったりしませんし、運転や客対応もしっかりして信頼できる人が多い。
やはり職人など専門家が自ら誇りを持ち、周りから尊敬もされる社会故でしょう。
電車の場合はT1の地下にSが走っています。15-30分間隔とやや少ないですが
乗ると3駅で中央駅に着きます。切符は販売機が少しチャレンジになりますが
最低市内行きをしっかり買う必要があります。(検札については 滞在記 参照)。

4.SQUAIRE

さて交通、駅、空港のお話をしました。これらに関係して最近完成したフランクフ
ルト国際空港の新しい施設を紹介しましょう。
これは外見が巨大な船のように見える斬新なアーキテクチャの建造物で、外見のみ
ならず、内部のデザインや様々の建築、環境最新技術が取り入れられています。
いわば『現代ドイツの技術の粋』を集めたFlagship建築とも言えます。
2007年にプロジェクトが開始され、2011年頃から徐々に機能し始めましたが
2013年5月、筆者の訪問時にはほぼ完成していました。勿論これだけのランド
マークですからその全貌、詳細はWEBにしっかりと掲載されています。しかし実際に
体験した筆者の観点からの紹介も有効であろうと思い、本項を設けました。本項と
サイト SQUAIRE を併せて有効情報を得て頂ければと思います。

SQUAIREは駅ビルです。フランクフルト空港の交通は3.空港で述べたように都心
へ向かう近郊電車(S-Bahn)は第一ターミナルT1の地下に乗り場がありますが、
遠距離電車および新幹線相当のICEのホームはT1からビル内通路を10分程度
歩いた場所にあります。SQUAIREはこのICE/遠距離電車のホームの上に建てら
れた駅ビルです。ですからこのビルの中に色々な商業施設を集めたSQUAIREはエキナカ
と言う訳です。日本で例えば名古屋駅に代表される駅ビルの斬新なものが建てられ、
これと同期してエキナカとかエキチカとかが隆盛したのは2000年代始めだったように
記憶します。だからおそらくこのProjectも日本の建築や状況も結構参考にはして
いるでしょう。何と言っても駅の混み具合は良いか悪いかわかりませんが日本は世
界一でしょう(但しここでも又中国が世界一へと突き進んでいるのでしょうか?)。
ドイツやヨーロッパでこういうエキナカ計画を遂行できる条件を満たす所はそう多
くあるとは思えません。そしてエキナカは日本が先輩だとしても、巨大な国際空港
へ降り立って10分の新幹線エキナカはまだ日本にも無いユニークで便利な施設と
言えます。

最初に空港のT1からSQUAIREへ向かう方法を述べておきましょう。これはとにかく
『長距離電車』乗り場へ向かえばいいのです。方々に行き先表示の看板があって
矢印と共にLong-distance Trainと英語で、ドイツ語はFernbahnだったか
Fernzugだか忘れましたが"Fern"が"遠い"なのでこれが付いた言葉の筈です。
これに従って歩けば着きますが、大雑把に言えばT1のAエリアから行くルートと
Bエリアからのルートがあります。Aエリアからは階段を上がってから少しガイドに
従って歩き、Bエリアからは一直線に階段(エスカレータ)を上る感じで最後は同じ
渡り廊下のような通路へ出ますので、これをまっすぐ歩けば着きます。
この渡り廊下通路には重い荷物と共に空港と新幹線の間を移動する旅行者のために
動く歩道が備わり、昔からの老舗ホテル、シェラトンやルフトハンザのCheck-IN
カウンターなどがあります。
そして通路終点がSQUAIREになっており、上には大きな船型ビルを形造る緩やかな
弧を描く採光性の良い天井が、下にはICEの駅や列車、乗降客を見下ろせます。


渡り廊下の通路の最後に独特ビルSQUAIREへと出る




SQUAIREはICEのホーム真上、中央は列車待ちの人の待機所


そして空港から入って右側にはカフェやエスカレータを上がると名産品店の奥に雰
囲気のあるホテルが構えていますがこれはHilton Frankfurt AirportとHilton
Garden Inn Frankfurt Airportです。一方左側にはカフェの他にREWEと言うドイツ
有数のスーパーマーケットがあり、エスカレータを上るとレストラン、そして奥は
オフィスゾーンと言うような構成です。

ユニークなデザイン、最新の建築が醸し出す新しいステーションとエキナカの雰囲
気以外に特筆すべきSQUAIREの特徴、注目点は以下のようなものです。

先ず、空港とICEを含む空港ビル内だけの往復で利用できるホテルが増えた事です。
従来は上記シェラトンがそれを一手に引き受けていました。(ビルを出て良い条件
なら空港近辺にホテルは一杯ありますが、勿論重い荷物を歩いて引っ張れる訳では
無いので何らかの交通手段が必要です)。シェラトンは私もTransitに何度か利用
して、良いホテルだと思いますがとにかく1軒なので予約できない時も多いです。
今回Hiltonが加わって選択肢が増えました。特にGarden Innの方はカジュアルな趣向
なのでシングルで価格も抑えた部屋があります。Transitの際は勿論、朝早い便など
の場合は都心を観光するなり、ドイツ各地を巡るなりした後ここに投宿すれば結構
安心して旅ができそうです。


SQUAIREにあるHilton。Gardenn Innは使い易い。



次にカフェやレストランもバラエティがありますが、T1そのものより混雑度が低い
ので見送りや会合で空港を使う場合のちょっとした穴場です。例えばレストランで
すとPAULANERと言う有名なミュンヘンのビールメーカーがやっている店がここにあり
ますから、あまりうろうろしなくてもドイツビールとその雰囲気を味わえます。
(勿論、雑踏の中で席を奪い合うように飲むのがいいんだとの方も多いでしょうか
ら、それはゆっくりした時に楽しんで頂くとして時間が無い時の処方箋です。)
アジア系食事のレストランも構えています。


ミュンヘンビールの人気店PAULANERの味と雰囲気も楽しめる



アジアの味が恋しい人にも手近に食べられる食堂あり



最後にREWEですが、この大手スーパーが何と無休の24時間営業なのです!
ドイツではそのあたりの商店は勿論、大手スーパーやデパート迄日曜祝日閉店が徹
底していると筆者の 滞在記 にも書きました。そしてそれでも外国系や観光地区では
おそらく特殊な申請許可を経て日曜に開いている所もあると書きました。
それにしても日曜はおろか24時間営業をやっている店はドイツでは中々無いと思
います。これだけ思い切ってやれるのはやはりフランクフルト空港が特別な地域と
して考えられているからでしょう。それにしても24時間営業にしたのは又日本を
参考にしたものかな?と疑いたくなります。利用者からすると困った時の駆け込み
と言うことで大いに助かりますが。この店は空港関連の名前でなくREWE CITYです。



ドイツでは珍しい日曜も含め24時間営業のスーパーマーケット


とにかく動き出した空港新ビルSQUAIRE、当記事も参考に存分に活用下さい。

5.EU

ドイツはEUのリーダー格です。第二次大戦に至る迄、互いに傷つけ合った歴史を
反省し、特にナチスドイツを生み出した反省もありEU=欧州連合の推進が加速され
て2000年には通貨統合に迄踏み込んで行きました。そしてこの通貨統合は当時
『強いユーロ』を生み出したのです。
筆者は会社勤務の1990年代にドイツの自動車向け基幹部品の開発販売に関与し
ていましたが、当時のマルク貨幣が1マルク平均70円程度でした。技術を認めら
れ販売できたのは良いのですが、例えば5ユーロ価格の部品の原価が300円近く
します。売値が350円になりますから販売費用などを引くと赤字になり、これを
黒字化すべく毎週コストダウン会議をやって頭を悩ましたものです。
ところが1999-2000年になってユーロ貨幣が新しい巨大経済圏の象徴として
話題になり期待からマルク、そしてユーロがあれよあれよと言う間に100円から次に
120円、130円へと駆け上りました。そうすると販売価格が自動的に600円、
750円になる訳で当該部品は儲け頭となってしまいました。
ほっとすると同時に通貨の仕組みやそれを支える政治構造の力をまざまざと見せつ
けられた思いでした。
しかし、この大きな波は逆向きもあるのです。ご存知のとおり、リーマンショック
に続くユーロ圏の一部の国での虚弱財政などがユーロ全体に負の打撃を与え、今も
まだユーロの信任に苦悩しています。

このように通貨問題ばかりが脚光を浴びますが、欧州連合は何も通貨だけではあり
ません。大きいのは域内の貿易、物流自由化と人の交流の活性化です。ドイツの店
では例えばスペインのオレンジが驚く程安い価格で並べられ、野菜も地中海からの
華やかな色の様々な種類が溢れていますがこれもEUの効果で1990年代はこう
は行かず、より限られた商品しか無かったようです。
そして人の行き来も頻繁で容易になり、それをサポートする制度やシステムも進め
られて成果も上げています。文化やモノ、人の面も要注目なのです。

本章は今後どうなるかその行方を注目する意味で設けました。 HP でも述べました
ように、旅は過去の遺産を見るだけではない、今そして未来と繋がるものももっと
あって良い筈で、EoEでは本章を踏み台に欧州の未来も見ていく取材に注力をして
行きたいと考えています。

さてフランクフルトは欧州金融の中心地です。この街にはドイツ銀行と言う国を代
表する中央銀行と欧州中央銀行と言う欧州連合の中央銀行の両方の本店があります。
現在欧州中央銀行は都心のど真ん中、Neue Operの目の前にあって、有名なでかい
ユーロマークで観光名所になって来ました。
この流れが変わったのは2011年頃から始まった貧富格差への抗議活動からです。
リーマンショック後の若者の失業率増加や貧富の格差は各国でデモ活動の対象とな
り、記憶ではニューヨーク発祥だったと思いますが世界に飛び火、特にユーロ問題で揺
れる欧州ではお金持ち象徴としてこの欧州中央銀行前広場が活動拠点となり、一時
のデモだけに止まらず抗議するグループが寝泊まりするテント村となりました。
フランクフルト市当局もあまり刺激しないよう周辺の警備を強化したものの、テン
ト村自体は暫時放置されて観光名所がテント村名所に変わった訳です。


欧州中央銀行前広場2009年12月


その後テント村は暫くたって消えましたが、デモは時々行われるようにないました。
2013年6月1日土曜日夕方、スペイン旅行を終えてBilbaoからのフライトで
フランクフルト空港に着いたのが5時頃です。その前にフランクフルト在住の友人
からメールが入りました。『ブロキュパイデモが5月31日と6月1日に行われま
す、交通機関などに影響が出ますから注意して下さい』と。
実際その日はタクシー等は都心に入れず、都心のトラム等も止まって、辛うじて空
港から中央駅へのS-Bahnでたどり着きました。
翌日曜日に街を歩いてみると至る所にこのブロキュパイデモの跡が散見されました。
ブロキュパイ、そうおそらくBlock Occupyからの造語でしょう。独占を阻止する、
一部のお金持ちへの富集中への抗議です。この活動は継続されるようでBlocupy
をGoogle入力すると幾つかのサイトが出ます。どうもドイツ語サイトが多いよう
ですが、ブロキュパイと日本語で入れると一般解説やブログには当たります。


欧州中央銀行前広場2013年6月2日、Blocupy翌朝


こういう活動から逃れるためかどうかはわかりませんが、欧州中央銀行はその居城
を現在の都心ど真ん中から市内やや東部の外れに移転しようとしているようです。
その後、都心ビルはもっとPositiveな欧州文化発祥の地になるのかなとか
希望的観測もしていますがわかりません。
EU=欧州連合を通貨だけでなく色々な観点から見ての取材で未来志向の記事を目
指す活動は続けて行きたいと思います。


建設中の新欧州中央銀行ビル2012年9月



建設中の新欧州中央銀行ビル2013年6月(あまり進まず?)




【Frankfurt情報と物語2】                                     地図を見る

フランクフルトの街の情報を少し挙げておきます。
これも一般的な情報は普及している旅行ガイドなどに載っていますから、ここでは
ちょっとプラスαの情報を或いはリンク先を挙げたつもりです。
そして単なる情報だけでなく、それに関する経験や私見などがあれば物語として
書き足しました。背景情報として活用或いは楽しんで頂ければと思います。
ここ情報と物語の後半(情報と物語2)では文化面の情報と物語で、以下の内容
6.博物館、美術館、劇場    7.メッセ    8.クラインガルテン を含みます。

6.博物館、美術館、劇場                                                       スケッチを見る

Frankfurtには33の博物館、美術館があります。上記トポロジカルスケッチで書いた
ようにエリアEがStudel美術館はじめ工芸、映画、通信などドイツらしい面白い
博物館などが並ぶ地区ですが他にも随所にあります。これらについてはかなり詳し
い紹介説明が案内本などから入手できますのでお調べ下さい。
ここではちょっと変わったアイデアを紹介しましょう。

この33の美術館、博物館に自由に出入りできて1年間有効なパスがあります。
これは90ユーロするので勿論高いし有効期間から言っても長期滞在者用です。
しかし、もし美術館、博物館が好きでじっくり見たい方には1週間程度の滞在でも
有効な場合がありそうです。入場料だけですと10回以上でないと採算が取れないと
思いますがそれ以外のメリットもあります。
一つはトイレ事情で、Frankfurtの街は公衆トイレは限られています。そして
一部無料はありますが大体有料。では街を動いている時に用を足すのはどうするか
と言うとカフェやレストランを利用します。ドイツでは座席のある飲食店には必ず
トイレを併設しなくてはいけないようで、手頃な近くの店を利用します。
しかし、です。まあコーヒーはそれ程高く無いのでコーヒー一杯で利用すればいい
のですが、席が空いているとは限りません。そして席が空いて座ってもコーヒーを
注文するのに意外と時間がかかります、カフェはゆったりと過ごすものなのです。
更にコーヒーを注文できたのでさあトイレに行こうかと思うと何とトイレが空いて
いない!そう、トイレが空いているとも限らないのです。これは公衆トイレも同じ
です。特に女性トイレは待ち人多しも珍しくありません。
ここ迄各戸もうおわかりかと思いますが、街に33もある博物館、美術館には勿論
清潔で一般には空いているトイレを快適に利用可能です(団体が入っている時は
混みますね)。

他にも中のカフェをゆっくり使えるとか空調の効いたソファーで少し休めるとか、
ゆっくりできる機能がもう一つの役割だと思うと1週間程度の滞在でも価値のある
価格かもしれません。この切符はどの博物館、美術館でも買えます。

次は劇場です。音楽とそれに関する芸術の盛んなドイツの中でもFrankfurtは
活動が盛んで有名な都市の一つです。トポロジカルスケッチでも紹介したように、
大きな劇場が2つあります。新しいOper Frankfurtと古い伝統のあるAlte Oper
の2つです。これらのチケットはHauptwacheのチケットショップでも入手できます
が、ここではネットでの予約入手方法につき説明します。
これはドイツ在住10年以上で仕事の終わった夜に練習を積み、自らも舞台に立つ
活躍を続けられている日本人女性Oさんにまとめて頂いたものに若干加筆しました。
2つの劇場の予約のために紹介するサイトですが他のイベントのチケット購入がで
きるサイトが含まれますので参考にしてください。

■Oper Frankfurt
こちらは新しい劇場なのでAlte(Old=古い) Operに対してNeue(New=
新しい)と言われる場合もありますがりフランクフルト地元の歌劇場で、地元の
オーケストラ(Museumsorchester)・合唱団・ソリストで上演されるオペラが
メインです。演目によって客演のソリストも多いです。

日本人にも耳慣れた代表的な演目もありますが(2012シーズンだとLa Boheme
や椿姫、モーツァルトの作品など)、埋もれてしまった名作なども挑戦的に選択し
ています(直近だとフンパーディンクのKoenigskinderなど)。

チケット購入はカレンダーから演目を選ぶと、オンライン予約へのリンクが表示さ
れます(言語:英語・ドイツ語)。右記サイト oper-frankfurt をチェック下さい。

■Alte Oper
これは古い伝統のある劇場ですが、実際には第二次大戦の空爆にて破壊されていま
す。しかし、ここがドイツのユニークな所ですが修復を”元の建物そっくりに”行
いました。元にそっくりと言うのは年季の入った汚れや欠けなども含めてです。
従って外から建物を見ると戦後建て直したようには思えず、長い歴史を経て来たよ
うに見えます。当然内部の音響等の設備は最新のものが使われています。

さてこちらの劇場の基本は客演で、クラシックからロックまで幅広いジャンルの
公演があります。Museumsorchester(フランクフルトの交響楽団)のコンサート
も基本的にAlte Operで開催されます。

こちらも演目を選ぶと、オンライン予約へリンクされますが、外部のチケット予約
サイト(次に紹介します)に行くことがほとんどです(言語:ドイツ語のみ)。
サイトは Alte oper frankfurt となります。
筆者は音楽に疎いのですが、滞在中に音楽好きの友人に誘われ数回ここに音楽を聞
きに行きました。どれも良かったですが、特にサイモン・ラトラーと言う指揮者が
やってきたベルリンフィルは素晴らしかったです。よくわからない筆者ですがその
指揮の下に全体が重なり響き合いながら演奏される迫力ある完璧な音楽はこれはや
はり尋常ではないと思ったものです。噂ではこの指揮者は現在世界トップクラスだ
が中々日本には来ないとの事。聞き慣れた方やお好きな方にとっては(ベルリンは
勿論でしょうが)ここでも聞けるチャンスはありますから要チェックでしょう。


”伝統の建物のまま”新築されたAlte Oper



サイモン・ラトル指揮ベルリンフィルも気軽に楽しめる


■Frankfurt Ticket RheinMain
フランクフルトと近郊エリアでのイベントを中心にチケット予約ができます。
Alte Operのサイトからは大部分の演目がリンクされています(言語:
ドイツ語のみ)。サイトは Frankfurt Ticket となります。

■Ticket Online
フランクフルトに限らず、ドイツ全国のチケットが予約できるサイトです。大きな
イベントならほぼ網羅されているはずです。英語サイトもあります(言語:英語・
ドイツ語)。サイトは Ticket Onlineとなります。
他にもチケット予約はサイトはありますが、やはり主催者のサイトから購入するの
がベストです。主催者サイト以外からだと手数料がかかる場合もあります。

7.メッセ

その他に役に立ちそうな情報と物語です。
先ず、メッセにつき少し説明します。ドイツではメッセが商業、事業を進める上で
一つの推進エンジンになっています。メッセとは国際見本市、或いはその会場を指
します。日本の見本市とやや違う点がドイツ或いは欧州のメッセはそこが展示の場
であると共に実際の商談の場である事です。日本の場合は見本市会場で情報を集め
実際の商談はそれを持ち帰って検討した上で後からじわじわとやる型が多いように
思われますが、ドイツではその場で商談を決定し『ではこの価格、数量を納めてく
ださい』迄行ってしまうケースが多い。
これは幾つか理由が考えられます。街での”市(いち)”の文化が根付いており、
本来の市が機能していることを 滞在記 でも述べましたが底流にはこういう文化が
影響しているかもしれません。それからドイツも欧州も都市や産業が分散型の構造
なので後から行き来するのは時間も経費もかかります。日本は東京地区に多くが集
中し、地方も国土の大きさと交通の便の良さからそれ程距離を感じないのとは違い
即決が有効です。又、日本の業務権限の曖昧さも影響している可能性もあります。
日本では稟議システムに代表されるような合議制があり、この合議制で規定されて
いない場合も誰がどこまで判断するかの権限定義が曖昧なケースがよくあります。
一方ドイツの会社(一般に海外会社)は担当者がどこまで予算を使っていいのかが
定められ、この予算内だとメッセ会場でこれを買うと即決できます。勿論その結果
うまく行かなければ成果評価が悪くなりますが、本人も自分責任がはっきりしてい
るので納得します。業務機能面ではメッセにはこういう背景もあります。

このため業務絡みのメッセでは日本の”見学者”は敬遠される面もあります。出店
している人から見ると散々説明して情報を持ち帰るが商売決裁をやらないので勘弁
してくれと言う人もいる訳です。業務でメッセに参加される場合はこういう側面を
頭に入れて、目的や決裁の基準を詰めてこれを示しながら交渉すべきなのです。
勿論権限と予算を明確にして即決ができる体制で臨むのがベストですが、それが難
しい場合も決定条件を挙げた上で後々の交渉に繋ぐなどの工夫が重要です。理屈が
きちんと通っていると特に理屈っぽいドイツ人は納得し易いので、この理論構築が
重要です。勿論理屈が通ったら実行できるようにしておくのは必須ですが。

さて、業務で参加する場合はこういう側面もあるものの、ビジネスでなく見学で多
くの人に訪れてまらうのを期待しているメッセのイベントも多くあります。よくあ
るのは同じメッセ会場で一般参加者が楽しんではいるが、実際に業務ビジネスを担
当するプロしか入れない場所を会場内に設定するやり方です。この場合はその専門
エリアに入るには事前から登録が必要です。築地の場外市場と本市場のような仕組
みです。

一般参加して楽しめるフランクフルトのメッセで一番有名なのはモーターショーで
しょう。自動車のメッカドイツですからドイツメーカーは勿論日本、アメリカ、韓
国など世界中の自動車メーカーが華やかに技術とデザインを競います。
この会場には世界から自動車好きが集まりますし、その”車野郎”(すみません、
車好き女性もいらっしゃるでしょうが)の参加をメーカーも歓迎するショーです。

このショーは実は2年に1回、奇数の西暦年の秋9月に開催されます。実は偶数年
の同じ時期には同じく自動車関係のショーが開催されますが、これはかなりプロ向
けで産業人向けのもです。そして偶数年にはパリモーターショーが開催されます。
ドイツとフランスで分散して共倒れにならないようにしています。

筆者は2009年7月から3年滞在したので幸いにも2009、2011の2回モーターショーに
参加できました。やはりドイツの”車野郎”が新しいモデルや華やかな車に興奮し
て多数参加し、独特の雰囲気を持っています。このモーターショーで発表される車
や技術は世界初も多いので日本でも報道されます。日本の報道では環境車に注目が
集まっている等とありましたが実際の現場はそうでもありません。車野郎は環境よ
り”ど速い”或いは”ど派手”な車に群がって興奮しています。こういう車好きの
ための車展示なので東京でよくあるような可愛いお姉さんがセクシーな服装での演
出は殆ど無くて説明員は車に詳しい”元車野郎”おじさんとか制服の営業女性が実
務的に説明をこなすのが殆どのスタイルです。


自動車野郎が群がる2009モーターショーの雰囲気


そんな中で2009年秋のショーで印象に残ったのが韓国の現代自動車でした。この年
現代は『高級車路線』を打ち出し、このショーにもその先頭モデルを投入しました。
その宣伝のためにセクシー服装のドイツ人女性モデルが回転する車に座ってにこや
かに回るのですがこういう演出をしたのはここだけ。ちょっと雰囲気がいきなり変
るので車野郎もやや戸惑い気味。いや実際に回っているお姉さんがどうも一人だけ
こんな恰好でやっているので居心地が悪そうで見ていてちょっと気の毒でした。
しかし、同時に現代が高級車路線に挑む並々ならぬ決意が伝わって来ましたし、こ
れと決めたら集中して脇目もくれずに猛スピードで走る韓国企業を実感しました。

因みにこのモーターショーはうまくミュンヘンの、これ又世界に有名なオクトーバ
ーフェストと言うビール祭りに微妙に引っかけてあります。つまりフランクフルト
でモーターショーを楽しんだ後、ミュンヘンに回ってビール三昧と言うコースが設
定可能になっています。えっ、オクトーバーって10月じゃなかったの?と言う疑問
は私も滞在初年に持ちましたがオクトーバーフェストは10月初めには終わってしま
う、どちらかと言うと9月の行事だったんですね。

さてフランクフルトのメッセではプロ向けの他にこのような一般参加が面白いイベ
ントもやっていますからドイツへの旅行や滞在に当たってはチェックされると良い
でしょう。そしてこのチェックは別の面からも重要です。人気のあるメッセ時には
ホテルが非常に混みます。従って価格が吊り上がって高くなります。こういう時期
にぶつからないようにするか、どうしてもぶつかる場合は早めに予約とか、郊外の
街にホテルを取る作戦もあります。ちょっとした近郊の街でS,U(Bahn)の駅に
近ければそれ程不便無く利用できます。又街自身を楽しむつもりでWiesbaden(ヴィ
ーズバーデン、ヘッセン州の州都)、 Mainz(マインツ、伝統ある宗教都市)、
Darmstadt(ダルムシュタット、アールヌーボー建築で有名な大学都市)などに
宿泊するのも手です。いずれもフランクフルト都心へ1時間以内に出れます。

フランクフルトメッセの情報は次の メッセサイト から殆どの情報を入手できます。
尚、モーターショーは英語の通称であり、このサイトのカレンダーなど公式には
IAAと呼ばれますので注意が必要です。IAAとはドイツ語で国際自動車展示会を表現
したInternationale Automobil-Ausstellungの頭文字を取った略称です。
私が実際に参加して一般参加者にも面白くて中々良いと思えたのは2月のAmbiente
(アンビエンテ)と4月のMusikmesse(ムジクメッセ)です。アンビエンテは日用
の装飾品や実用品の展示でキッチン用品、装飾食器、アクセサリ家具など生活を楽
しむ用品の展示会なのでプロのビジネス目的でなくても十分楽しめます。
一方ムジクメッセは音楽、楽器が主題ですから勿論音楽に興味のある方向けですが
音楽の本場でもあるので見学者がちょっと楽器を手に取って弾いてみるのを傍で聞
くと尋常でない上手さだとか興味は尽きません。尚、この音楽は筆者滞在時には
3月に開催されていて、照明の展示会が4月にありました。これも照明や照明デザイ
ンに興味があれば面白いものでした。2013年からはこれらが合同で開催されるよう
になったのではないかと(プログラム上だと)思われます。
他に10月のブックフェアも本に熱心なドイツなので面白い筈なのですが、筆者の
場合ドイツ語能力が障壁となって十分には楽しめませんでした。それでも漫画コー
ナーがあってアキバスタイルの若い男女がドイツでも盛り上がっているとか面白い
発見もありました。
フランクフルトのメッセは中央駅の北方向、S(S3,4,5,6)で2駅のメッセ駅が会場
のど真ん中です。UだとU4で一つ北に進むとメッセ入り口に着きます。

さてメッセはフランクフルトに関わらずドイツ全体で非常に盛んです。筆者が実際
参加したメッセだけでもミュンヘン、ニュルンベルグ、ケルン、デュッセルドルフ、
ハノーバーがありますが、どことも大きな施設を構えています。本当にメッセ大国
と実感します。筆者の滞在時は業務用参加も多かったのですが、例えばケルンでこ
れも2年に1回偶数年の秋に開かれるフォトキナはカメラに強かったドイツの伝統を
引いており世界的な新カメラ発表の聖地でカメラファンには大変面白いものです。
但し今カメラメーカーの主流は日本メーカーですから、会場がちょっと日本ネタが
多過ぎて面喰いました。ドイツの全体としてのメッセ情報は例えばJETRO(貿易振
興会)の 展示会サイト から探せます。

8.クラインガルテン

さてドイツ独特の文化クラインガルテンについて紹介しましょう。このドイツ語は
Klein Gartenでありkleinは小さい、Gartenは庭ですから小さな庭と言うことです。
しかし、ドイツではこれが普通名詞では無く、特別な文化用語として使われます。
ドイツが自然豊かで庭と園芸を大事にすると言う話は滞在記にも書きました。
しかし、やはり全ての家が広い庭を持てる訳ではありません。フランクフルトなど
都会地域ではアパートや庭が狭い家も多く、庭の文化を十分堪能できない人も多く
います。このような市民向けに自治体などが庭園を貸しますが、これがクライネガ
ルテンです。そう、つまり日本でもある市民農園、家族菜園ですね。

日本の市民農園とやや違う趣になっているのはその歴史と規模でしょう。
ドイツのクラインガルテンは19世紀にライプツィヒに住んでいた医師で教育改革
者のDr.Moritz Schreber(モーリッツ・シュレーバー博士)が尽力して法律を
制定して国家規模の制度として定着させた伝統があります。数々の戦争を戦い、最
初はプロシアの戦略的な勝利を収めながら2回の世界大戦には敗れる等波乱の歴史
を経ますが、困窮生活に陥っても自活のためを考えて農園を定着させるべくできた
制度とも言われます。とにかく日本のように市民菜園で自然に触れたいからと言う
レベルよりは遥かに地域の団結や、或いは自然との共生思想に深く根を張ったもの
と言えます。
こういう訳でクラインガルテン発祥の地Leipzig(ライプチヒ)には今もその歴史
と文化を大切に保存し、紹介する博物館Klein Garten Museumが都心から歩ける
郊外に開設されていますから興味のある方は訪れては如何でしょうか?
サイトは英文があり クラインガルテン博物館 となります。又、クラインガルテンの
今をリアルタイムに伝える サイト もありますがこれはどうもドイツ語だけのようです。
伝統あるドイツ文化のホットな話題に溢れてtますから、ドイツ語の学習教材とし
て読むのに適してそうです。

日本の家庭菜園等との大きな違いのもう一つはその規模です。さすがに大地豊かな
ドイツです。最低でも100平方メートル位は持てるようで、更に余裕があれば小
屋を借りたり、建てる事が許されています。住居にしてはいけませんが、農業作業
の納屋や食器を貯蔵しておき週末の家族パーティなどを楽しみます。
そして規模の大きさは1戸あたりだけではなく、これらの集合する地域が何十と言
う数で集まるのです。よって必然的にクラインガルテン地区と言うのは結構大きな
土地面積を占めます。農機具を運び入れたり、作物を運び出したりにかなり大変な
労力がかかりそうですが、DIYの元祖の国故それも楽しみの一つ、皆さん嬉々と
して休日も汗を流しています。こういう作業の後に子供や孫も加わって楽しむパー
ティではおいしいドイツビールが更においしく感じられるだろうと想像します。

ガルテンで何を作るかは各自の好みのようで、花を中心にきれいに庭を造る人もい
れば、野菜や果物など食べられる作物で畑として使う方もいます。このように各自
の個性が発揮されるのも楽しい所で、ガルテンを持っていなくてもそこを散歩させ
てもらうだけで美しい花や庭の飾りつけ、そして様々な趣味の作物などを存分に楽
しむことができます。
筆者は滞在記にあるようにフランクフルト郊外の街に住みましたが、ここにも例に
洩れずこのクラインガルテンがありました。しかし、この周りをいつも散歩しなが
らこの大きな区域がクラインガルテンであると認識するのに半年以上かかったよう
に思います。知っていればわかりますが、何の説明も聞かないと外部からは中々こ
れがクラインガルテンだとわかる仕組みは無いので、道沿いの庭を覗いてきれいな
庭だなとか何だか野菜作りに熱心だなとか程度で気がつかないものです。


筆者の住んだ街Schwalbachにあるクラインガルテン


中々全貌が見えにくいクラインガルテンですが例外もあります。下記の面白いエピ
ソードを披露してこの節を閉じましょう。
筆者の家内の友人が遊びに来て家内が空港迄迎えに行き、S-Bahnで都心へと向か
っていた時の事です。マイン川の鉄橋を渡ってすぐ進行左側に広がる景色を見て友
人の方がこう呟いたそうです。『ドイツは欧州では最も豊かと聞いていたが、やは
りあんな狭い土地に粗末な掘立小屋でぎっしり住むしかない人達のスラム街がある
ものなのね』と。そう、このマイン川を渡ってすぐ左にはフランクフルトの街の住
人用にクラインガルテンが広がっているのです。そして珍しく列車の窓から一望で
きるのでこうなります。まあ狭いし薄汚い納屋が並んでいますのでクラインガルテ
ンを知らないとこう思ってしまうのは無理もありません。でもクラインガルテンは
ドイツの歴史ある文化の一つとご記憶ください。


【Frankfurt食事とレストラン】                            地図を見る

Frankfurtのレストランは旅行ガイドにより色々な店が紹介されています。
Trip Adviserサイトによると1415軒と大変な数があります(まあ東京23区ですと
22000軒あるようなのでこれよりは1桁少ないですが)。本サイトでは最初にお断り
したように筆者の私見で選んでいますが、一応国際都市にふさわしい世界各地の
料理と言う観点となるべくまだあまり紹介されていない秀逸な店との条件での選択
に努めました。
実際の詳細は 地図 とその中のナイフ・フォーク記号を見て頂ければと思います。

ここでは食事とレストラン関係を概括説明しておきます。

1.ドイツでの食事

ドイツの朝食はホテル等で食べるとわかりますが、パン、ハムソーセージ、ジュース、
野菜等のセットが基本です。ホテルでは大変おいしいですし、店で買ってきて揃える
ことも容易です。サンドイッチにして売っている店も多く、これは飲み物含め5Euro
レベルで入手できます。
ランチは同じくサンドイッチのように簡易に済ませる人もいますが、実はドイツでは
ランチに一番のご馳走を食べると言う人も多いようです。このおかずで有名なのが
シュニッツエルで豚カツですが、揚げてあると言うよりパン粉をまぶして焼いた
感じで、ドイツ人には大変人気があります。
Dinnerは割合簡素と言われており、特にWeekdayはCold Meatつまり
ハムやソーセージ類をメインにしている家庭も多いようです。

さてレストランでは勿論ドイツ料理店でも色々な料理が出ます。又、インターナショ
ナルに各地の料理を楽しめます。
ヨーロッパ系の料理メニューは大体前菜、サラダ、スープ、メイン、デザートと
並べてあります。
世界に流布しているイタリアンでは前菜、一の皿(パスタ系)、二の皿(料理)、
デザートとなりますがこれも大体この原則に従います。これは基本ですが、お腹の
すき具合や料理の量により自分のスタイルにアレンジしても構いません。
日本人の場合、ドイツや欧州の食事は量が多過ぎると感じる人がいますが、この
場合もアレンジすれば良いのです。無難なのは前菜とメインにまとめる事です。
そして実際にはメインだけで良いなら前菜を軽いスープにすれば量の問題は解決
できます。又、うまく通訳者がいるなど言葉を伝えられる場合には前菜の料理を
メインに指定するやり方もあります。
食事での注意点の一つがグループで食事をしている場合の頼み方の凸凹です。
例えば或る人だけ前菜、スープ、メインで他の人は前菜とメインだとしましょう。
この場合、スープを頼んだ人がこれを終えないとメインが出ません。ウェイターは
スープが終わるのを待っています。
実際に時々あるのはこのスープを頼んだ人が他の人の食事がまだ来ないので
自分だけスープを飲むのもまずいかなと思って待ってしまうケースです。これでは
ウェイターはスープの終了を待ち、スープの客は他の人の次の料理を待つという
デッドロックに陥ります。もしこれに気がついたらスープを前にしている人に注意
を促す必要があります。

食事で注意するべきもう一つの点はシェアです。日本人がグループで食事をする
場合、幾つか料理を注文してこれを皆で分けると言う『食事のシェア』はよくやる
方法ですが、これはドイツにおいては通常やりません。中国などアジアの人はシェア
を普通にするので観光客の多いレストランや元々そういう概念のあるイタリアン
レストランでは通じますが、一般にはドイツ人は食事のシェアはやらないと言うこと
を念頭に置いておくと良いと思います。シェアをうまく説明できない場合はごり押し
しないことです。で、どうするかと言うとシェアするとか言わず、一人ずつ分担して
注文し、料理が来たら小皿を人数分もらって自分達で分けてシェアすれば良いの
です。
尚、もう少し詳細な食事文化論を 滞在記 に記しています、興味のある方はどうぞ。

2.ドイツのレストラン

さて実際のレストランの説明に移りましょう。 このサイトの地図 を見ながらお読み
ください。

先ずドイツ料理ですが、これはレーマー広場やドム周辺に本格的レストランが、
そして川を渡ったザクセンハウゼン地区には飲み屋風の店が多くあり、普及して
いる旅行案内に記されています。
上記本サイトの地図ではこれらの他に紹介すべきドイツレストランを若干加えまし
たので参考にしてください。
更に郊外でお勧めのレストランがMorfeldenと言う町にあるGoldener Apfel
(Golden Apple)です。ここは古くからのレストランで建物やLocalなお客の
雰囲気、そして料理もドイツっぽいもので、郊外だけにあまり観光客ずれはして
いません。
郊外電車S-Bahnの7番(S7)のMorfelden駅で下りて駅前どおりBahnhof
Strasseを歩けば10分以内で着きます。都心では無いので予約は必須で、S7の
時刻表を把握しておくことをお薦めします。
Goldener Apfelのサイトは右記 Golden Apple
ドイツ語だけのWEBがLocalを証明しています。そして日曜も営業!地元の人で
賑わっています。

次に取り上げるべきはイタリア料理でしょう。Frankfurtでは実はイタリア料理の
方が地元ドイツ料理より店の数は多いのではないかと思われます。正確に数えた訳
ではありませんし、方々にある小さなピザ屋風を数えるかどうかで議論もあるでしょう
がまあそれ程ポピュラーです。
これも私の過去からの感覚であり裏付けのある話ではありませんが、EUや通貨
Euroの統合以降にどんどん増えたのではないかと思われます。こんなに多いので
選択にも苦労しますが、一応 本サイトの地図 には私の個人判断で選んであります。
ここでも郊外のお勧めに触れておきましょう。北東郊外に向かうS-bahnの3番、
4番(S3,S4)の駅にRodelheimがあります。この駅前すぐにRistorant
-Pizzeria Da Severinoがあります。ここも日曜営業しており、きちん
としたレストランです。但し私の体験からはかなり塩味がきついです。実はこの店に
限らず、結構塩味がきついレストランは経験しました。これはドイツの人がお酒に
強く、お酒を飲むにはこの位塩がきついのが良いからなのかもしれません。
もし塩味がきついのが苦手ならちゃんと注文時に塩を弱めにと頼めばいいのです。

イタリアンが流行っているのに対し、フレンチは隣の国ながら今一つでレストラン
数も少ない。いや、隣の国で複雑な歴史としこりがあるからこそかもしれません。
その中でも評価できる店を 本サイトの地図 でピックアップはしました。

そしてアジア料理です。日本食レストランについてはどの店も頑張っています。
とにかくSushiは今やグローバルに通用する料理ですから多くの日本食レストラン
は寿司を出せるようにしており、中華の店もSushiだけは揃えている所が多いです。
日本食レストランは普及している案内本に詳しいですから本サイトの地図には載せて
いませんが、私個人としてはやはり大規模な店として鮨元、中堅の店としてふじわら
が味、雰囲気など総合的に推薦できると思います。

日本の次に存在感があるアジア食はインドと韓国でしょうか。タイ料理も健闘して
いるように思います。韓国についてはFrankfurt北東郊外にS4(Bad Soden
行き)のSchwalbach Nordと言う駅がありますが、この駅に直結してSamsung社
の大きな建物があります。この駅はSamsung社専用駅と言って良いでしょう。この
ため北東郊外は勿論都心にも多くの韓国人が住んでおり、これに伴いFrankfurt
では韓国人を多く見かけますし、韓国レストランも数が多い訳です。
これに対しインドはアウトソーシングを中心に進出しています。ITやソフトを得意
とするインドのアウトソーシング会社はドイツの企業から受注するため出先を持って
おり、仕事が取れると本国でも業務はしますが、やはり一部は現地へ派遣して現場
で作業をする必要があります。このためエンジニア系の若手インド人も街に多く、
インドレストランも活発です。
タイに関しては旅行好きのドイツ人がよくタイに行きます。気候、風土、人柄など
タイとドイツは全く正反対に思われますが、だからこそ何かエキゾチックで憧れる
のかドイツ人はタイが大好きで、自ずからタイの人達もドイツへ向かう人が多いの
でしょう。隣のベトナムがフランスの植民地でありそれに張り合った面があるのか
もしれません。
これらアジア系レストランも上記 本サイトの地図 に載せました。
そして以上で説明したレストラン一覧については Frankfurtレストラン をご覧ください。


【Frankfurtショップ】                                     地図を見る

上記に述べたように街がコンパクトなのでショッピングもHauptwacheにあるデパートや
その周りの各種専門店で買い揃えることができます。これらについては既存の案内本に詳しい
ので省きました。
これら以外となると難しいのですが 本サイトの地図 では2つの観点から選びました。
一つはまだあまり知られていない店、ちょっとマニアックかもしれませんが特徴ある専門店です。
もう一つは郊外です。これは滞在型などでに少し出かけられる時間が取れた時に公共交通
機関で行ける範囲でのお店に限って紹介しました。
ドイツは車社会であり、自動車での移動を前提にするとショッピングのみならずレストランや
イベントも範囲は広がりますが、これは又稿を改めてと追加説明することにします。
そして以上で紹介するショップ一覧については Frankfurtショップ をご覧ください。


【Frankfurtワイン】                                     ワイン紹介を見る

フルトやドイツの名産品コーナーです。しかし、筆者の実力不足で
色々考えていた物品販売は各々色々な”貿易障壁”もある事がわかってきました。
今後取り揃えるべく努力中ですが、先ずは道が開けたワインの販売から開始する
事にしました。実際の販売は ドイツの友人達からのワイン にて行っています。

ワインはヨーロッパの歴史と伝統を感じさせ、実際に飲んでもおいしく、雰囲気も
ヨーロッピアンになる将にエッセンスオブヨーロッパです。しかしそれだけに商売
としては競争も激しく、色々な品が既に出回っています。
こういう状況での新たなインターネット販売も如何なものか?との迷いもありまし
たが、やはりまだ紹介しきれていない商品もあり、新しいワイナリの挑戦もあり、
エッセンスの一つとして信頼できるワイナリから確かな商品をお届けすることで
第一歩を踏み出すことにしました。

ドイツ滞在が長い友人と言うよりは先輩の方の紹介で二人のワイナリー主にお会い
して色々お話をし、日本への紹介にも情熱を持たれている方々との確信を得た上で
幾つかの商品を選びました。

一人のワイナリー主はSimonさんですが、彼の本拠地はMoselです。Mosel川は
フランクフルトよりかなり北でライン川に合流します。しかしいわゆる商圏、或い
は文化圏はフランクフルトと言えます。そして古代ローマ時代以降、延々とワイン
を作ってきた歴史、急斜面で作られる独特のミネラル感溢れる味覚と香りで世界の
ワイン好きを魅了し続ける地です。
この地のワインをフランクフルト大都市圏に売り込んでいるのがSimonさんで
よくフランクフルトを訪問される故にその時にお会いするだけで彼の本拠地Mosel
にはまだ行っていません。しかし、持参頂いたMoselの爽やかさはすばらしく
やや朴訥なお人柄もドイツ人らしく、彼としての初めての日本への輸出にも大いに
乗り気で情熱を示されました。彼のワイナリーからは3種のワインを選んでお届け
します。

もう一人のワイナリー主はこれぞフランクフルト近郊のラインヘッセン地区の気鋭
の若手Guntrum氏です。ここは近いこともありワイナリーも訪問してみっちり見学
させて頂きました。その訪問メモ Guntrumワイナリ を是非ご覧ください。

以上、二人の友人からのワインをワイン販売コーナー ドイツの友人達からのワイン
にて販売していますので是非ご賞味ください。
これらのワインの批評や感想、そして扱うべきワインのご要望などドイツワインに
関するご意見、ご要望は歓迎です。お気軽に europe@w-essence.comへメールをお寄せ
ください。

ワイン以外のエッセンスオブヨーロッパ商品発掘、販売にも引き続き努めてまいり
ますのでこの方面でもご提案などあれば同メールにてお願い致します。





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